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Ubuntu/iPhoneでも楽しめるクラウド型音楽ストリーミング

2010年10月29日 12時00分更新

文● 海上忍

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3GもOK、OSの違いに関係なく楽しめる!

 Ubuntuでは、ホームフォルダー上にある「Ubuntu One」フォルダーが、Ubuntu Oneとの同期に利用される。このフォルダーにコピーされたファイルは、自動的に同期されてクラウド上へと転送されるため、Ubuntuを利用するかぎりはローカルかクラウドかを強く意識する必要はない。iPhone/Androidで聴きたい曲(MP3)があれば、Ubuntu Oneフォルダーへドラッグ&ドロップするだけでいい。

Ubuntu 10.10を利用している場合、「Ubuntu One」フォルダーの内容は自動的にクラウドと同期される

 一方、Ubuntu標準のジュークボックスソフト「Rhythmbox」は、初期設定では「音楽」フォルダーへ楽曲データを保存する。デフォルトのエンコーダーに指定されている「Ogg Vorbis」は、現在のところUbuntu One Musicではサポートされないなど、Ubuntu Oneとのシームレスな連携は改良の余地がある。

 このように、Ubuntu One MobileはUbuntuとの組み合わせを前提としているものの、ウェブブラウザーを使ったファイルのアップロードにも対応しているため、WindowsやMac OS XなどLinux以外のOSからも利用できる。

Ubuntu Oneはウェブブラウザーからアクセスできる。WindowsやMac OS Xでもファイルのアップロード/ダウンロードが可能

 ここで話を整理しておこう。ふだん音楽をiPhoneで聴いているとして、サウンドライブラリーをクラウド上に構築したいという場合には、オプションのUbuntu One Mobileを契約した後、クラウド(Ubuntu One)にMP3ファイルを保存しておくだけで、iOSアプリ「Ubuntu One Music」を利用してストリーミング配信を楽しめる。クラウドにMP3ファイルを保存する方法は、UbuntuではNautilusで「Ubuntu One」フォルダーへファイルをコピーし(自動的にクラウドと同期)、他のOSではウェブブラウザーを使いMP3ファイルをクラウドへ手動アップロード、ということになる。

 iOSアプリ「Ubuntu One Music」の使い方は、シンプルそのもの。起動するとアカウント認証が開始され(Mobile Safariでユーザー名とパスワードの自動入力を有効化しておくこと)、Ubuntu Oneのストレージ上にあるMP3ファイルが検索されるのを待つだけだ。アーティスト名やアルバム名は、検索時にID3タグが自動解析されるため、普段iTunesなどのジュークボックスソフトで利用しているMP3ファイルの情報がそのまま表示される。日本語の曲名/アーティスト名も問題なしだ。

「大」から始まる日本人アーティストが「A」と「G」の間でソートされるなど、気になる部分もあるが、ID3タグの解析は正しく行なわれているようだ

やみくもにアップロードしたファイルも、アーティスト名/アルバム名ごとに分類されている

 ストリーミングの回線は、Wi-Fiと3Gの両方を利用できる。ビットレートは不明だが、音質が大きく劣化したようには感じられなかった。ただし、サーバーとの通信は決して安定しているとはいえず、時折ストリーミングを確立できない旨のエラーが表示された。他のサウンドフォーマット(AAC/OGG)とアルバムアートのサポートがないことも気になったが、こちらは実装予定とされているため、バージョンアップを待ちたい。

ビットレートは不明だが、大幅な音質低下は感じられなかった。ただし、現行バージョンではアルバムアートには未対応、曲の再生位置をスライダーで移動することもできない

サーバーとの通信が途絶えたり低速になったりする場面にも遭遇した

 月額約4ドルという料金は少々割高な気もするが、クラウド上に置いたサウンドファイルをストリーミングで聴ける、という点でUbuntu One Mobileには目新しさがある。写真の同期もサポート予定ということもあり、非Ubuntuユーザーにも注目されてもいいのではないだろうか。


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