このページの本文へ

痛車でラリー! メロンブックスインテ奮闘記 第10回

ターマック全勝! メロンインテ、岐阜で今期4勝目

2010年10月28日 18時00分更新

文● 中村信博 ●写真/中島正義

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ターマック制覇を目指して
メロンインテ進撃開始!

 午前10時46分、「メロンブックスDUNLOPテインBRIGインテグラ」は、関係者以外に誰もいない「ほおの木平サービスパーク」を旅立っていった。今回はセクション1の2本のステージを走り終えたあとで、ここから20kmほど離れたところにある「飛騨高山スキー場」のギャラリーステージでセレモニアルスタートを行なう、という変則的な構成になっている。つまり最初の2本でリタイヤしてしまった場合、観客の目に一切ふれることなく消え去ってしまうという、笑うに笑えない構成だ(汗)

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS1/駄吉上り I
(6.32km)
4:49.2(TOP)4:49.2(TOP)
SS2/駄吉上り II
(6.32km)
4:53.2(TOP)9:42.4(TOP)
SS3/高山スキー場 I
(0.52km)
0:36.0(TOP)10:18.4(TOP)
SS4/駄吉下り I
(6.30km)
4:43.2(TOP)15:01.6(TOP)
SS5/高山スキー場 II
(0.52km)
0:36.5(+0.9)15:38.1(TOP)
SS6/駄吉下り II
(6.30km)
4:41.7(TOP)20:19.8(TOP)

 今回もSS1から快調に飛ばすメロンブックス・インテグラ。序盤の2本のヒルクライムステージでベストタイムを連取し、トップで高山スキー場のセレモニアルスタートに立つことができた。2番手以下には筒井克彦/永山総一郎組“S2000”、それに松本琢史/石田一輝組“ロータスエキシージ”の後輪駆動勢が続いているが、ポイントリーダーの“MASCインテグラ”はSS1でフロントをヒットしスピードが上がらない。できればポイント圏外まで沈んでくれたら、最終戦で逆転チャンピオンの目を掴むことができるのだが……。

 高山スキー場のギャラリーステージを経て、SS4。ベストタイムを並べるメロン号に、一瞬ヒヤリとした場面が訪れる。3km地点の右コーナーに差し掛かったところ、目の前に人の頭ほどの大きさの岩が! 足回りへの直撃は避けられたものの、エンジン下部で受けたために損傷が気になるところ。クルーからの報告でメカニック隊は下回り修復の準備を開始し、万全の態勢でこの日最初のサービスA(45分)を迎えることができた。

 セクション1をトップで走り終えたメロン号。さっそく4輪ジャッキアップして、エンジン下部のチェックを始める。下回りには舗装イベント用の薄いアンダーガードが装備されているが、一部が岩の直撃を受けて破れてしまっていた。このままでは、大きくへこんだガードがエンジンを叩き続け、アタック中に重大なトラブルに及んでしまうかもしれない。

メカニックがもぐりこんで下回りをチェック。この写真で見ると、少し右側のガードが押し上げられ、エキゾーストパイプにわずかに傷をつけている。あとすこし岩が大きかったならパイプが破れていたところだ。危なかった……!!

角度を変えてもう一枚。ピントがズレてて申し訳ないが、この写真でも中央部のスリット周辺が大きく破損していることがわかるはずだ

 ジャッキのアームを使ってへこんだガードを修正し、さらに反対側からめくれあがった部分を叩いて地上高を確保。その他、フロントタイヤ交換、ナイトステージに備えたライトポッド装着などのメニューをこなして、無事にメロン号をセクション2へ送り出すことができた。

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS7/駄吉上り III
(6.32km)
4:55.4(TOP)25:15.2(TOP)
SS8/無数河-牛牧 I
(14.66km)
11:54.3(TOP)37:09.5(TOP)
SS9/無数河-牛牧 II
(14.66km)
11:52.7(TOP)49:02.2(TOP)
SS10/駄吉下り III
(6.30km)
4:54.3(+3.3)53:56.5(TOP)

 セクション2は時間的に日没後となり、ほとんどが闇夜の中での戦いとなる。ラリーフィールドは街路灯のない山中のステージを主に使うから、夜になるとまさに一寸先も見えない暗闇となるのだ。ラリーマシンが巨大なライトポッドをつけるのはそのためだが、照らし出されたわずかな空間をたどってアタックスピードを保ち続けることは、クルーにとてつもない集中力を要求する。

 また、このセクション2ではステージ距離が長く、しかも路面が他に較べて荒れた場所が多いため、ここで他の追撃をいかに跳ね返せるかが、今回の「ハイランドマスターズ」での一番のポイント。クルーにもマシンにもタフさが必要となるのが、このセクション2の4本のステージなのだ。

 そしてメロンブックス・インテグラは、ここセクション2でもベストタイムを連発! 薄暮のSS7、そして日没後のロングステージSS8、9と3本つづけて最速タイムで駆け抜け、JN-3クラスのライバル達の追撃をまったく許していない。2番手は毎ステージごとに代わる熾烈な争いとなっているが、メロン号はただ1台だけ、圧倒的なタイム差を築いてトップでセクション2を駆け抜けた。

すでに時刻は夜。サービスパークでは各ブースに電灯がともされ、マシンの到着までゆったりとした時をすごしていた。筆者もあちこちのブースをのぞいて、関係者トークに花を咲かせていた頃だ

マシンの到着までに、サポートチームは夕食をとっておく。この日のメニューは「クリームシチュー丼」。それをファンの方から差し入れにいただいた地酒とともに。クルーは飲めないので、筆者が代表して美味しくいただきました(笑)。ありがとうございます!

 デイ1最終のサービスB(60分)。この時点でトップのメロン号と2番手の明治慎太郎/漆戸あゆみ組スターレットとのタイム差は、およそ1分。明日のデイ2に予定されている4本のSS、約37kmでトップを守りきるには充分なマージンといえる。セクション1で岩を抱いた以外はメロン号に損傷はなく、不安要素はまったくない。予想よりも若干リアタイヤのグリップ低下が進んだが、これもデイ2からフレッシュタイヤを追加投入することで対処できるだろう。

無事にサービスBへと帰ってきたメロン号。予想以上にリアタイヤのグリップ低下が著しく、最後はマシンの挙動が不安定で少々苦労したようだ。最初の予定では2日間通してリアは1セットで通すつもりだったが、急きょフレッシュタイヤを投入して万全を期すことにした

(次ページへ続く)

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ