ターマック制覇を目指して
メロンインテ進撃開始!
午前10時46分、「メロンブックスDUNLOPテインBRIGインテグラ」は、関係者以外に誰もいない「ほおの木平サービスパーク」を旅立っていった。今回はセクション1の2本のステージを走り終えたあとで、ここから20kmほど離れたところにある「飛騨高山スキー場」のギャラリーステージでセレモニアルスタートを行なう、という変則的な構成になっている。つまり最初の2本でリタイヤしてしまった場合、観客の目に一切ふれることなく消え去ってしまうという、笑うに笑えない構成だ(汗)
SS(距離) | ステージタイム(トップ差) | クラス総合タイム(トップ差) |
---|---|---|
SS1/駄吉上り I (6.32km) | 4:49.2(TOP) | 4:49.2(TOP) |
SS2/駄吉上り II (6.32km) | 4:53.2(TOP) | 9:42.4(TOP) |
SS3/高山スキー場 I (0.52km) | 0:36.0(TOP) | 10:18.4(TOP) |
SS4/駄吉下り I (6.30km) | 4:43.2(TOP) | 15:01.6(TOP) |
SS5/高山スキー場 II (0.52km) | 0:36.5(+0.9) | 15:38.1(TOP) |
SS6/駄吉下り II (6.30km) | 4:41.7(TOP) | 20:19.8(TOP) |
今回もSS1から快調に飛ばすメロンブックス・インテグラ。序盤の2本のヒルクライムステージでベストタイムを連取し、トップで高山スキー場のセレモニアルスタートに立つことができた。2番手以下には筒井克彦/永山総一郎組“S2000”、それに松本琢史/石田一輝組“ロータスエキシージ”の後輪駆動勢が続いているが、ポイントリーダーの“MASCインテグラ”はSS1でフロントをヒットしスピードが上がらない。できればポイント圏外まで沈んでくれたら、最終戦で逆転チャンピオンの目を掴むことができるのだが……。
高山スキー場のギャラリーステージを経て、SS4。ベストタイムを並べるメロン号に、一瞬ヒヤリとした場面が訪れる。3km地点の右コーナーに差し掛かったところ、目の前に人の頭ほどの大きさの岩が! 足回りへの直撃は避けられたものの、エンジン下部で受けたために損傷が気になるところ。クルーからの報告でメカニック隊は下回り修復の準備を開始し、万全の態勢でこの日最初のサービスA(45分)を迎えることができた。
セクション1をトップで走り終えたメロン号。さっそく4輪ジャッキアップして、エンジン下部のチェックを始める。下回りには舗装イベント用の薄いアンダーガードが装備されているが、一部が岩の直撃を受けて破れてしまっていた。このままでは、大きくへこんだガードがエンジンを叩き続け、アタック中に重大なトラブルに及んでしまうかもしれない。
ジャッキのアームを使ってへこんだガードを修正し、さらに反対側からめくれあがった部分を叩いて地上高を確保。その他、フロントタイヤ交換、ナイトステージに備えたライトポッド装着などのメニューをこなして、無事にメロン号をセクション2へ送り出すことができた。
SS(距離) | ステージタイム(トップ差) | クラス総合タイム(トップ差) |
---|---|---|
SS7/駄吉上り III (6.32km) | 4:55.4(TOP) | 25:15.2(TOP) |
SS8/無数河-牛牧 I (14.66km) | 11:54.3(TOP) | 37:09.5(TOP) |
SS9/無数河-牛牧 II (14.66km) | 11:52.7(TOP) | 49:02.2(TOP) |
SS10/駄吉下り III (6.30km) | 4:54.3(+3.3) | 53:56.5(TOP) |
セクション2は時間的に日没後となり、ほとんどが闇夜の中での戦いとなる。ラリーフィールドは街路灯のない山中のステージを主に使うから、夜になるとまさに一寸先も見えない暗闇となるのだ。ラリーマシンが巨大なライトポッドをつけるのはそのためだが、照らし出されたわずかな空間をたどってアタックスピードを保ち続けることは、クルーにとてつもない集中力を要求する。
また、このセクション2ではステージ距離が長く、しかも路面が他に較べて荒れた場所が多いため、ここで他の追撃をいかに跳ね返せるかが、今回の「ハイランドマスターズ」での一番のポイント。クルーにもマシンにもタフさが必要となるのが、このセクション2の4本のステージなのだ。
そしてメロンブックス・インテグラは、ここセクション2でもベストタイムを連発! 薄暮のSS7、そして日没後のロングステージSS8、9と3本つづけて最速タイムで駆け抜け、JN-3クラスのライバル達の追撃をまったく許していない。2番手は毎ステージごとに代わる熾烈な争いとなっているが、メロン号はただ1台だけ、圧倒的なタイム差を築いてトップでセクション2を駆け抜けた。
デイ1最終のサービスB(60分)。この時点でトップのメロン号と2番手の明治慎太郎/漆戸あゆみ組スターレットとのタイム差は、およそ1分。明日のデイ2に予定されている4本のSS、約37kmでトップを守りきるには充分なマージンといえる。セクション1で岩を抱いた以外はメロン号に損傷はなく、不安要素はまったくない。予想よりも若干リアタイヤのグリップ低下が進んだが、これもデイ2からフレッシュタイヤを追加投入することで対処できるだろう。
(次ページへ続く)
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