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仮想化対応を強化!日立がファイルストレージ製品も刷新

Hitachi Virtual File Platformで作るコンテンツクラウド

2010年10月28日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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10月27日、日立製作所はファイルサーバーの仮想化を実現する新ストレージ「Hitachi Virtual File Platform」を発表した。9月に発表されたSANストレージ「Hitachi Virtual Storage Platform」に引き続き、ファイルベースのストレージにおいても仮想化を推進する。

ブロックストレージに続きファイルストレージも刷新

 記者発表会の冒頭、日立製作所 情報・通信システム社 プラットフォーム部門COOの小菅稔氏は、まず同社のストレージ事業で掲げる「DATA DRIVES OUR WORLD AND INFORMATION IS NEW CURRENCY」という世界統一ビジョンについて説明。「膨大なデータから価値ある情報を創出する」ことを目的に、クラウド、仮想化・自動化、環境配慮などに配慮したプラットフォームを標榜する。2009年度、3040億円(海外売り上げ比率8割)だったストレージソリューション事業売り上げを2015年度には4000億円(海外売り上げ比率9割)に拡大していく。

日立製作所 情報・通信システム社 プラットフォーム部門COOの小菅稔氏

Hitachi Virtual File Platformのストレージセットモデル

 今回発表されたHitachi Virtual File Platform(以下、VFP)では、SAN系のブロックストレージで培ってきた実績とノウハウをファイルストレージに適用していくことで、「エンタープライズストレージ、ミッドレンジストレージに続く第3の基盤製品に育てていく」(小菅氏)という戦略製品になる。爆発的に増加するコンテンツデータ、特に非構造型をいかに活用していくのか? 個別システムで保管して統合的な運用をできない状況をどのように解決するか? そして管理や運用にかかるコストをいかに低減するか?といった課題に対して、日立が提唱するのが「コンテンツクラウド」という概念。これは各拠点に分散したデータを自動集約し、統合管理することで、TCOを削減しようというものだ。

コンテンツクラウドの概念

2つのフェーズでコンテンツクラウドを実現

 VFPにおいては「集約・統合化」「自動化・仮想化」という2つのフェーズで機能強化を行ない、コンテンツクラウドの実現に寄与するという。まず、データ集約のために、最大16TBだった従来のNAS製品比に比べ約60倍となる最大1PBのファイルシステムサイズを実現するほか、性能に関しても約2倍向上させた。ファイルシステムは、物理ディスクを束ねたストレージプールとして仮想化されており、複数ユーザーで効率的に共有できるほか、データ書き込みに応じて物理容量を自動的に追加することも可能になっている。さらに、ファイバチャネルとiSCSI、CIFS、NFSなどマルチプロトコルに対応し、異なるアプリケーションのデータを1台に集約できる。

「集約・統合化」「自動化・仮想化」という2つのフェーズで機能強化を行なう

 VFPはデータ格納処理を実現するゲートウェイとして提供され、単体のVFPノードでの提供のみならず、ミッドレンジディスクアレイ「Hitachi Adaptable Moduler Storage 2000シリーズ」を組み合わせたストレージセットモデルも提供される。

Hitachi Virtual File Platformのゲートウェイモデル

 そして、2011年2月に提供予定の「自動化・仮想化」のフェーズにおいては、拠点に設置されたVFPを介して、データセンターへの自動集約を実現する。ここではアクセス頻度に合わせた最適なデータ配置を行なうほか、バックアップやアーカイブの自動化なども可能になる。また、ユーザーごとに領域を分割するマルチテナント対応により、セキュアなデータ管理を可能にする。さらに稼働状況のレポートや構成変更などを行なうマネージドサービス、導入効果の可視化を行なうエコノミックスサービス、最適構成を提案するアセスメントサービス、そしてコンテンツクラウドの設計/構築サービスなど、導入効果を最大限に引き出す各種のHitachi Virtual File Serviceも提供する。

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