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より速く、安全に!ボーダレスネットワークがもっと拡張

オフィスなしのワークスタイルを本気で実現するシスコ

2010年10月27日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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L4~L7までをカバーする「Application Velocity」

 クラウド環境での懸念となるパフォーマンスを向上するアプリケーションの最適化技術で、複数のシスコ製品から構成されえる「システム」と位置づけられるという。「従来はL2~L3でのエンドツーエンドの通信が重要だったが、今後はL4~L7までインテリジェンスを持たせる」(木下氏)のが役割だ。

Application Velocityとそれを実現するネットワークサービス

 具体的には、ビデオや音声配信の最適化を実現する「Performance Routing」、WANの最適化を実現する「WAAS」、アプリケーションの可視化・クラス分けを行なう「NBAR(Network Based Application Recognition)」など、大きく3つの機能をルーターに実装する。WAASに関しては、L4からL7までのアプリケーション最適化機能がISR G2 SRE(Service Ready Engine)モジュールとして提供されるほか、IOSにTCPベースのWAN最適化機能を追加する「WAAS Express」という形態でも提供される。

 また、ブランチ向けのルーターISR G2 SREモジュール上で仮想化環境を提供する「UCS Express」も発表。Windowsサーバーをサポートする。

新NetFlowとノンストップアップデート可能なCatalyst 4500E

 65万台以上の実績を誇るモジュラー型スイッチの新製品。シャーシは7スロットの「4507R+E」、10スロットの「4510R+E」を投入。モジュールはまずCatalystシリーズ最速となる848Gbpsのシステム帯域幅を持つ「Supervisor Engine 7-E」が投入された。Catalystではじめてモジュラ型のCisco IOS XEを採用し、「Flexible NetFlow」や「In-Service Software Upgrade」をサポートする。

会場で展示された7スロットのCatalyst 4507R+E

大木氏曰く、今までに比べて奥行きが全然違うとのこと

 Flexible NetFlowは既存のNetFlowを拡張したフロー可視化技術。7つに固定化されたフィールドしか使えなかった従来のNetFlowに対し、Flexible NetFlowでは80種類のL2~L7フィールドを自由に組み合わせることで詳細なフロー計測が実現する。また、ISSUの機能を活用することで、ネットワーク動作中にソフトウェアのアップデートが行なえるようになり、10ミリ秒未満でのフェールオーバーが可能になるという。その他、管理性の向上や低消費電力化も実現し、今後10年を見据えたスイッチプラットフォームに仕上がっている。

 Supervisor Engine 7-Eのほか、12ポートの10GbEを搭載するラインカード、ポートあたり30Wの給電が可能なPoE+ポートを48ポート搭載するラインカードも用意された。両者ともMACベースの暗号化機能であるMACsecやTrustSec機能をハードウェアでサポートする。

パフォーマンスを強化したCisco ASA

 パフォーマンスが強化されたセキュリティゲートウェイ装置「Cisco ASA 5585-X Adaptive Security Appliance」が追加された。2Uのラックマウント型筐体を採用し、ハイエンドモデルでは20Gbpsのファイアウォールスループット、1万の同時VPNセッション、35万コネクション/秒、800万同時セッションを実現する。10Gbps対応のIPSモジュールが用意されるほか、AnyConnectによるAlways-onリモートアクセスも可能になっている。

会場に展示されたCisco ASA 5585-X Adaptive Security Appliance

ボーダレスネットワーク製品群が仕事を変えるか?

 木下氏によると、今回の第3フェーズにおいてボーダレスネットワークへの製品展開は完了し、より導入に近いフェーズになっていくとのこと。スマートフォンの需要の拡大、LTEをはじめとしたワイヤレスモバイルの高速化、そしてアプリケーションやシステムのクラウド化といった流れを考えると、今後のIT部門は、こうしたモバイルでのワーク環境の整備という課題を無視することはできなくなるだろう。こうした流れにうまく乗り、既存の製品群を適切にアップデートしたのが、ボーダレスネットワークの狙いといえる。

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