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週刊 PC&周辺機器レビュー 第78回

トラックボール派待望の無線モデル ロジクール M570

2010年10月29日 12時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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Unifying対応、カスタマイズ可能な追加ボタン

 TrackMan Wheelと比較したM570の改良点は主に3つある。まずはワイヤレス式になったこと。2.4GHz帯の電波を使う同社独自の「Unifyingレシーバー」に対応し、ケーブルレスでの使用が可能だ。

M570と付属のUnifyingレシーバー

M570と付属のUnifyingレシーバー。レシーバーは非常に小さく、ノートパソコンの本体に挿したまま持ち歩ける

本体背面

本体背面。レシーバーは電池の横に収納できる、マウスで流行の構造

 Unifyingレシーバーの利点は、レシーバー自体が非常に小型なことと、同社のUnifyingレシーバー対応機器なら、1レシーバーに6台までつながる汎用性の高さにある。モバイルノートの本体USBポートに装着したままでも、持ち歩きの邪魔にならない。M570自体の消費電力も低いようで、単3型乾電池1本で動く。電池が少ないので、ボディーが軽めなのもいい。それでいて電池寿命は最大18ヵ月、通信距離も10mを実現している。

M570を操作する際の手の置き方例

M570を操作する際の手の置き方例。「戻る/進む」ボタンに人差し指、左ボタンは人差し指か中指、右ボタンは中指か薬指という配置が基本

 次の特徴が、「戻る/進む」ボタンの追加である。長らくTrackMan Wheelは、「2ボタン+1ホイール」という形態を守り続けてきた。基本を押さえた構成とは言え、マウスでは多ボタンやチルトホイールといったスイッチ類の追加が当たり前の昨今では、いささか物足りない。2ボタンの追加はささやかとはいえ、昨今の多機能マウスと比較しても、見劣りしない程度になったと言える。

本体を真上から

本体を真上から。「戻る/進む」ボタンの下に小さな電池残量インジケーターがあり

 「戻る/進む」ボタンは左ボタンのさらに左にあり、どちらも人差し指で操作する形状となっている。もちろんボタンに割り当てる機能はカスタマイズ可能なほか、アプリケーションによって機能を変えることもできる(詳細は後述)。「戻る/進む」ボタンの下側には、電池残量を示すインジケーターがある。通常は光っていないので、電池を無駄に食うこともない。

 第3の特徴が、センサー方式の変更だ。TrackManシリーズは初代からずっと、赤いボールの表面に不規則な黒点がプリントされた「マーブル模様」のボールを使い続けてきた。これの動きを光学センサーで読み取ることにより、ボール操作をデータ化していたわけだ。

レーザーセンサーでボールの回転を計測

M570は同社製品では初めて、レーザーセンサーでボールの回転を計測する。写真中央の小さな穴の中に見えるレンズがセンサー

 しかしM570は、同社のトラックボール製品では初めて、ボールの回転計測にレーザーセンサーを使っている。そのためボールの表面から、特徴的なマーブル模様がなくなった。使ってみた感触では、従来の光学式との違いは感じない。わずかにボールの動きが軽いようにも感じるが(ボールの重さは約25gで同じ)、気のせいレベルかもしれない。

青く輝くボールがM570の特徴

青く輝くボールがM570の特徴。センサーがレーザーになったことで、従来のマーブル模様がなくなった

 製品情報やリリースでは、レーザー化の利点は特に触れられていないので、利点がいまいちわからない。汚れに強くなるといった利点でもあるのだろうか。センサー部が穴になっているので、長期間使っていると手垢や埃が付着して(トラックボールでは避けられない問題)、センサーの効率を落とさないだろうかと疑問を感じなくもない。

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