xionchannelのアクションゲーム「ElectroMaster」とは
ーー「ElectroMaster」(350円)についてお聞かせください。まず、着想のきっかけはどのようなものだったのでしょう?
xionchannel(以下、xion) もともとは、「cocos2d」というiPhone用の2Dゲームミドルウェアのテスト用にプログラムしていたものがスタートです。「ポケット文庫 SkyBook」(450円)や電子書籍アプリで有名な高山さんの主催しているyidev(横浜iPhone開発勉強会)に参加した際に、宿題として「次回までにcocos2dで何か作りましょう」というものがありまして、がんばって作ったら評判がよかったのでちゃんと中身を整えて製品化しました。
僕は中身をあまり決めないで作ってばかりなんですが、これもまずはプレイヤーを表示して動かせるようになってから、敵を表示できるようにしてテストで100体以上表示したら、あまりのごちゃごちゃさが「First Queen」(呉ソフトウェア工房さんのPCゲーム)みたいで楽しそうだったので、その方向で突き進んで見た結果がこれですねw
「ElectroMaster」は、画面をタップし続けて(ドラッグすれば移動もできる)電気を溜めて、指を離して一気に解放! ぶっといビームで敵をなぎ倒す爽快なアクションゲーム。これはアイディア賞モノですね、まちがいなく。操作していて楽しい。ゲームの根本的な快楽を思い出しましたというと言い過ぎかもしれませんが、速すぎず遅すぎないテンポも魅力なので、アクションゲームは苦手というユーザーさんでもプレイできると思います、はい。裏技まで用意されてるんですよねw
電気ビリビリ爽快アクション ElectroMaster ゲーム紹介
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ElectroMaster | |||
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作者 | xionchannel | 価格 | 350円 |
ファイル容量 | 9.2MB | カテゴリ | ゲーム |
対応デバイス | iPhone/iPod touch およびiPad互換 |
対応OS | iOS 3.0以降 |
ーーストーリーが、ちょっとよくわからないのですが(すいません)、設定、ストーリーを解説していただけますか?
xion 主人公の女の子には妹がいて、その子がなぜか朝からいないんです。外に探しに行っても見当たらない。朝ごはんも食べてなくてむしゃくしゃしている主人公(姉)は、周りのヤツらを痛めつけて妹のことを尋ねるのですけど、どうも捕まってるみたいだと。で、姉は妹を連れ戻してご飯を作ってもらうというお話です。
僕としては世の中の食べ物が全部フルーツになってもいいんですけどねw
ーー主人公のデザインはオマージュですか?(すいません)
xion 当初、とあるアニメの超電磁砲的なキャラクターをイメージしてましたが、一般化のためにそこから離れたところ、逆に電子の歌姫的になってしまったみたいです。リリース後のユーザーさんのレビューで初めて気付きました。ちなみに”隠し”でこれとは別の作品のオマージュが入ってますよ。
ーー攻略的なことなのですが、まず僕は溜め始めながら敵の配置を見て、抜け道があればそこを通って画面の端(背後の心配がないところ)に移動してビームを放ちます。放った後は、扇形を描くようにすばやくスワイプして、一定の範囲の敵の殲滅とコンボ増を目指すというプレイスタイルなのですが、オススメのプレイスタイルがあれば、お聞かせください。
xion 面のスタート時にはプレイヤーキャラは一定時間無敵状態になっているので、これを生かして画面中央のまま、あるいは都合のいい場所で敵に重なっても無視して充電すると、敵がたくさん出ていても、初回の攻撃でだいぶ片づけることができます。ただ、充電中の音を目安にすると処理落ちによってタイミングが変わるので注意が必要です。
ーー”溜め”についてですが、最大の”溜め”に至るまでに設定されている時間はございますか?(無限には溜まりませんよね?)。
xion 武器によって最大溜め時間は変わるのですが、初期の武器MONOでは20フレーム(2/3秒)で放電可能になって、以後は放電時間の蓄積に回されます。最大は……とここでプログラムソースを確認したところ、設定してませんでした。あわわ。えーと、無限です(厳密には1038まで溜まります。そこまでに要する時間は約3澗(かん)秒、数が大きすぎて読めません>< )! 溜めすぎると放電がなかなか終わらないかもしれないです。ひゃぁ。
ーーフルーツの出現条件をお聞かせください。
xion コンボ数がちょうど10の倍数になるとランダムでなんらかのフルーツが出ます。必ずプレイヤーから遠い場所に出るので、釣られて死なないようにしてくださいねw。死んでくれたら、作者としてはニヤリですがw。
ーー実は、そこそこプレイしているのですが、WEAPONが増えません。WEAPONが増える条件と、どのようなものが増えるのかお聞かせください。
xion STORYかSURVIVALモードでプレイして、通算で10回ゲームオーバーになるたびに解放されます。下手な人ほど救済になるようにと思ってそうしました。
最初に解放されるのは、TRIDENTという3方向にビームを撃てる便利な武器です。その代わり自分の移動スピードが少し遅いですし、威力も弱いです。次はPOWERで、太いビームが撃てます。これは溜め時間が長くて、ビームの方向転換も遅いのが難点です。撃つ前に敵の方を向かないと辛いですね。
その後がGRAVITYで、全方位に攻撃できます。溜めれば溜めるほど威力が増します。最短時間の溜めだと最弱です。溜めやすいように移動スピードは最速です。最後はTACKLE。自分の周りに帯電してプレイヤーが自ら敵に突進して蹴散らすという武器です。正直、玄人向けの武器です。楽しいのですけど、プレイは難しいです。
結局TRIDENTが最強という評価が多いです。ネットの高得点プレイヤーはみんなこれを使ってるらしいですよ。次のバージョンアップで若干武器の強さを調整しますので、いろんな武器を使ってみてほしいですね(弱くはしません)。
ビームの種類も複数用意されている。どうすれば新たなビームが解放されるのか? という答えはインタビュー本文で確認してもらいたいのだが、個人的には自キャラを中心に円形にビームが広がる「GRAVITY」がおすすめ。敵に囲まれてあせることの多いゲームなので、一気に蹴散らせるところがありがたいです。
ーー絶対あるんじゃないかと思うのですが、裏技的なものはございますか?
xion タイトル画面でタップしまくると、いつもと違う音が鳴るんですが、そのままタップし続けるとタイトルの色が変わります。その状態でゲームを始めると、プレイヤーキャラのコスチュームが変化します。ほら、電撃で女の子と言えばアレですよね。ゲームも全体的にスピードアップして、よりスリリングになるので、お試しください。
ーータイトル画面(前)など、過去のゲームへのオマージュを感じるのですが、お好きだったゲームを2つ3つ、挙げていただけますか(タイトルと機種名をお願いいたします)?
xion 昔の2Dだったころのゲームが好きなんです。日本でRPGが流行る前の。例えばナムコ(現バンダイナムコゲームス)のシューティングゲーム「ゼビウス」(アーケード)。タイトル画面の出る前の演出もこちらのオマージュです。昔はゲームセンターで電源を入れてもらうとああいう画面を見ることができたんですよね。
xion それから、Midway Gamesの「Robotron: 2084」(アーケード)ですね。固定画面で2本のレバーで操作する忙しいゲームです。プレイ感は「ElectroMaster」にも大きく影響してます。ああいう頭がパニックになるようなのは楽しいですねー。今でも海外のゲーセンにはあったりしますね。
あとはジャレコの「忍者くん 魔城の冒険」(ファミリーコンピュータ)です。「ElectroMaster」の面間デモも大いに影響受けてます。アーケード版(UPL)も思い出深いです。喫茶店のテーブル筐体に入ってたのを頼み込んで遊ばせてもらったのは楽しかったなぁ。
ーー「ElectroMaster」のキャッチフレーズをお聞かせください。
xion ビリビリ爽快アクション、でしょうか。いっそのこと電撃を充電したらiPhoneがビリビリ帯電したら楽しいですね。
ーー今後のアップデートのご予定をお聞かせください。
xion iPad対応を加えたユニバーサル版を予定しています(すでにリリース済み)。iPhoneでのアップデートは武器の強さの調整と処理落ちのある程度の解消、アプリが万が一途中で落ちてしまっても途中までのスコアを反映するような処理というところですが、iPadでプレイすると2人プレイモードが遊べます。コンセプトは「愛」で、女性とプレイしたときに指と指が触れ合ったらいいなぁと思って調整しました。2人のプレイヤーキャラがぶつかると愛のスペシャル攻撃ができるので、ぜひ触れ合ってほしいです。
ただし、そこで生まれたハートを見た敵は嫉妬の炎を燃やして追いかけてくるのでラブラブしすぎに注意してください。
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ポケット文庫 SkyBook | |||
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作者 | aill | 価格 | 450円 |
ファイル容量 | 14.3MB | カテゴリ | ブック |
対応デバイス | iPhone/iPod touch およびiPad互換 |
対応OS | iOS 3.1.2以降 |
「ElectroMaster」:(C)xionchannel software
「ポケット文庫 SkyBook」:(C)aill, All rights reserved.
※このテキストは電撃ゲームス 2010年07月29日発売号のために行なわれたメールインタビューの全文です。内容は、メールインタビュー実施時の情報に基づいています。アプリの内容など、現在のものと異なる部分があります。
(次ページへ続く)

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