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KARAREMICHi iPhone REPORT 第5回

日本の個人・独立系iOSアプリ開発者【2】—STUDIO-蔵

2010年10月22日 21時00分更新

文● 倉西誠一(@kararemichi

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世界観がユニークなパズルゲーム「つなゲー」

ーー「つなゲー」についてお聞かせください。まず世界観が非常にユニークなのですが、ゲーム仕様が先にできましたか? それとも世界観でしょうか?

 (おまけで収録されている)肉を焼くアプリのアイデアが先にあったのですが、それを単体で販売する勇気がなかったのでゲーム要素を追加したという感じです。ゲームでも世界観でもなく、焼き肉ありきです。

ーーテーマソングが収録されていますが、これはどのように制作されたのでしょうか?

 友人に作ってもらいました。「ゲームには価値はないけど、曲だけなら買う価値がある」と好評です。ありがとうございます。

ーーご自身がお考えになる攻略のコツがあれば、お聞かせください。

 「自己ベストが世界記録だ」と思うことです。

「つなゲー」は、牛をさらおうとする宇宙人のUFOをパズルゲームを解いて攻撃するという内容。パズルのルールは、同じ宇宙人を4つ揃えたところでダブルタップして消すというものだ。それ自体には特に変わったところはないのだが……パズルで稼いだ賞金で焼き肉を食べるというご褒美がなんとも言えない。せっかく守った牛なのに、食っちゃう! ということなんでしょうかw また、タイトル画面で流れるBGMもユニーク。焼き肉屋さんでかかっていれば納得の、ちょっとノイジーな(違う?)名曲です。注意しなければいけないのは、宇宙人のブロックを直接動かすタイプではないということ。縦、もしくは横の列単位で動かしていくのだ。ついカンチガイして動かしがちなので、早く感覚に慣れよう。ちなみに焼き肉は目と耳を楽しませてくれる

つなゲー
作者 STUDIO-蔵 価格115円
ファイル容量16.3MB カテゴリゲーム
対応デバイスiPhone/iPod touch
およびiPad互換
対応OSiOS 3.0以降

毒舌マスコット「ロールちゃん」、心霊写真を撮れる「心霊カメラ」

ーーラインナップには「ロールちゃん」や「心霊カメラ」などのジョークアプリもございますが、これらを作られたきっかけがあれば、お聞かせください。

 どれもMacからの移植になります。Mac版をなぜ作ったのかというと、もう昔のことなのでよく覚えていません。ただ、どちらにも「気に入ってくれた人だけ楽しんでもらえればいいや」という気持ちは共通していた気がします。

ロールちゃん
作者 STUDIO-蔵 価格無料
ファイル容量0.7MB カテゴリエンターテインメント
対応デバイスiPhone/iPod touch
およびiPad互換
対応OSiOS 3.0以降
心霊カメラ
作者 STUDIO-蔵 価格無料
ファイル容量1.0MB カテゴリ写真
対応デバイスiPhone/iPod touch
およびiPad互換
対応OSiOS 2.2以降

iPhoneアプリ開発の魅力

ーー以降、一般的な質問です。まず、iPhoneアプリを作ってみようと思われたきっかけをお聞かせください。

 ちょうどiPhoneが日本展開する直前に起業したので、渡りに船という感じでした。今思うと、ちょっとガツガツしていたかもしれません。

ーー他のプラットフォームとは違う、iPhoneアプリ開発の魅力をお聞かせください。逆に魅力ではなく、苦労される点もあれば、お聞かせください。

 世界中に配信できるのに、驚くほど敷居が低い点が魅力だと思います。苦労する点はあまりないですかね。たまに「これ何語?」というメールが届いてビックリすることはありますが。

ーー現状のiPhone市場について感じられていることをお聞かせください。

 個人が大手を打ち負かすことができる、極めて特異な市場だと思います。別に勝ち負けが重要ではないと思いますけど。

ーー現状のiPhoneユーザーについて、どのような層をイメージされていますか? また、それに合わせたタイトルをリリースしようとお考えですか?

 トレンドに敏感な層だと思いますが、そういう人たちを無視したアプリを作っていきたいと思います。媚びると見捨てられそうな気がしていますので。

ーーiPhone市場の今後は、どのようになるとお考えですか?

 アタリショックのような状況になる気がしています。実際その入り口にさしかかっているかな……という印象もありますけど、あまり気にしてもしかたないですし。

ーー今後のiPhoneアプリ開発、リリースに関するご予定をお聞かせください。

 新作ではないのですが、夏に向けて「心霊カメラ」のバージョンアップを予定しています。リリースが秋にならないようにがんばりたいと思いますが、ズレ込んだら南半球向けということにしたいと思います。

ーー最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いいたします

 オラにやる気をわけてくれ!

この文章は、電撃ゲームス 2010年07月29日発売号記事企画のために行われたメールインタビューの全文です。


筆者紹介──倉西誠一

石川県金沢市出身の元・電撃PlayStation編集長。著書は「モンスターハンター」シリーズのプレイログである「狩られ道」「狩られ道豪黒毛」(いずれもアスキー・メディアワークス)だが、最近はすっかりiPhoneゲーマー。Twitterアカウントはkararemichi

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