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Mac mini de 家鯖 第11回

「Admin Tools」でMac miniを遠隔管理

2010年10月20日 21時00分更新

文● 海上忍

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SSHも活用すべし

 Admin Toolsという優れた管理ツールがあるためか言及されることは少ないようだが、SSH(OpenSSH)を利用したリモートログインも、サーバー管理には必須の手法だ。

 SSHサーバーの設定は通常版と同じで、システム環境設定「共有」ペインで行なう。「リモートログイン」をチェックし、アクセスを許可するユーザー/グループを設定すれば準備完了だ。デフォルトでは管理者グループに属すユーザーのみログインが許可されているが、システム管理用途に使われることが多く、管理者権限でコマンドを実行するためにsudoコマンドを併用する機会が多いことを考えると、これをあえて変更する必要はないだろう。

SSHの設定は通常版と同様に、システム環境設定の「共有」ペインで行なう

 Mac mini Serverにリモートログインする場合は、適当なSSHクライアントを使いMac mini Serverのアドレスとユーザー名を指定し、要求に応じてパスワードを入力する。Mac OS Xの場合は、Terminalから「ssh ユーザー名@Mac mini Serverのアドレス」などとsshコマンドを実行すればいいだろう。なお、初回にかぎり公開鍵を作成する手続きが必要になるが、2つの質問に対し「yes」と答えるだけでいい。

 TerminalおよびUNIXコマンドを使い慣れていない場合には、管理用のコマンドをいくつか覚えておくだけでもいいだろう。Mac OS Xには、GUI(Aqua)と同等の管理作業がCUIでも行なえるよう、他のUNIX系OSにはない管理用コマンドが多数用意されているため、工夫次第ではGUIより便利に使えるかもしれない。

 有用なコマンドはいくつもあるが(表参照)、特に覚えておきたいのは「systemsetup」だ。「-getdate」が現在の日付、「-gettimezone」が時間帯など、オプションを使うことによりシステム環境設定が管理する情報へ横断的にアクセスできる。HDDがスリープするまでの時間を決める「-setharddisksleep」のように、設定を変更することも可能だ。詳しい用法については、「man systemsetup」で確認してほしい。

SSHでリモートログインし、現在有効なサービスを一覧表示するために「serveradmin」コマンドを実行したところ

Snow Leopard Serverに収録されている管理用コマンド(抜粋)

コマンド名 機能の概要
ServerBackup バックアップを作成する
languagesetup システムの言語設定を変更する(システム環境設定の「言語とテキスト」ペインに相当)
cupsctl プリンターの設定確認とセットアップを行なう(CUPSの管理用コマンド)
diskspacemonitor ディスクの空き容量を監視する
networksetup システム環境設定「ネットワーク」ペインに相当する機能を提供する
scutil コンピューター名やDNSの状態などネットワーク情報を確認/設定する
serveradmin 「サーバ管理」(Server Admin.app)のコマンドライン版
softwareupdate アップルのサーバーと通信してソフトウェアアップデートを実施する
systemsetup システム環境設定が扱う各種情報にアクセスする
wikictl Wikiサーバーを開始/停止/再起動する

筆者紹介──海上忍

 ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザーにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。


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