サブネットの意味を実験で試してみる
「サブネットマスクが正しくないと通信できない」といわれるのは、以上のような理由からだ。この話が本当なのか、実際に試してみよう。たとえば、コンピュータAのIPアドレスが「192.168.0.1」、サブネットマスクが「255.255.255.0」だったとしよう。そして、コンピュータBのIPアドレスが「192.168.0.2」、サブネットマスクが「255.255.0.0」だったとする(画面1)。

画面1●サブネットは異なっても通信が成立することがある
画面1では、宛先コンピュータのIPアドレスが「192.168.0.2」サブネットマスクが「255.255.255.0」になっているとき、送信元コンピュータのIPアドレスが「192.168.0.1」サブネットマスクが「255.255.0.0」でもPINGの応答が返ってきている。サブネットマスクが異なるにもかかわらず、通信が成立しているのだ。
なぜ通信が成立したのだろうか。実は、通信相手が同じサブネットに所属しているかどうかの判断は、自分に設定されたサブネットマスクを使うという仕組みに原因がある。この場合、コンピュータAから見たコンピュータBのネットワークアドレスは「192.168.0.0」であり、自分のネットワークアドレスと同じである。
一方、パケットを受け取ったコンピュータBは、自分のサブネットマスクを使って、コンピュータAのネットワークアドレスを調べる。この場合、「192.168.0.1」と「255.255.0.0」の論理積は「192.168.0.0」であり、コンピュータBから見たコンピュータAのネットワークアドレスは自分と同じである。つまり、たまたまネットワークアドレスが同じになるため、サブネットマスクが異なっても通信が成立してしまったわけだ。
「サブネットマスクが正しくないと通信できない」というよりも、「サブネットマスクが異なっていても、算出されるネットワークアドレスが同じなら通信は成立する」のが正解である。
本記事は、ネットワークマガジン2004年12月号の特集を再編集したものです。内容は原則として掲載当時のものであり、現在とは異なる場合もあります。 |

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