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Apple Geeks 第12回

OS X必携ツール「Growl」の知って得する使い方

2010年10月18日 12時00分更新

文● 海上忍

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「Boxcar」 — Growlの通知をiPhoneへ転送

 TwitterやFacebookと連携しiPhoneへ情報を通知するiOSアプリ「Boxcar」(無料)も、Growlをサポートしている。利用するには、まずウェブサイトから入手したGrowlプラグイン(Boxcar.growlView、最新バージョンはv1.4)をOSXにインストール後、システム環境設定「Growl」ペインで「表示オプション」タブを開く。表示スタイル「Boxcar」選択後、Boxcarのアカウント情報(メールアドレスとパスワード)を入力し、[Preview]ボタンをクリックしてiPhone側にメッセージが表示されればOK。これで標準スタイルに「Boxcar」を選択すると、GrowlのポップアップすべてがiOSに向けてプッシュ通知される。

TwitterやFacebookなどさまざまなサービスと連携し、iOSにプッシュ通知する無償のiOSアプリ「Boxcar」

スタイル「Boxcar」を開き、アカウント情報を登録しておく

アプリケーションの表示スタイルに「Boxcar」を指定する

 Boxcar(iOS)側の設定は、サービスに「Growl」を追加し、「Push Enabled」をオンにしておくだけ。これで、OS X側にGrowlのイベントが発生すると、Boxcarのサーバーを通じてiOS側にGrowlのメッセージがプッシュされ、OS Xの状態をiPhoneで知ることが可能になる。

 活用方法だが、標準スタイルに「Boxcar」を選択すると、ひっきりなしにiPhoneへのプッシュ通知が発生するため、対象とするアプリケーションは絞り込んだほうがいい。筆者の場合、標準スタイルは「Boxcar」以外に設定して、iOSにプッシュ通知したいアプリケーションのみ、アプリケーションの表示スタイルに「Boxcar」を選択している。

たとえばこのように、OS X上で動作中の「HandBrake」によるエンコード処理完了通知を、iOSで確認できる

Boxcar
作者 appremix 価格無料
ファイル容量5.8MB カテゴリソーシャルネットワーキング
対応デバイスiPhone/iPod touch
およびiPad互換
対応OSiOS 3.0以降

ターミナルからiPhoneへGrowlで通知!?

 Growlには、「growlnotify」というコマンドが同梱されている。デフォルトではインストールされないため、Extrasフォルダー以下にあるgrowlnotify.pkgの手動インストールが必要だ。

 このコマンドは、標準入力から受け取った文字列をGrowlでポップアップする機能を持つ。前述したBoxcarのサービスも流用可能で、GrowlペインにあるGrowlnotifyの設定画面を開き、アプリケーションの表示スタイルに「Boxcar」を指定しておけば、growlnotifyコマンドが出力したメッセージがiOS向けに発信される。

 家族など、Boxcarのアカウントを教えてもらえる関係の相手であれば、iPhoneとのショートメッセージツールとしても活用できる。たとえば、echoコマンドで「大根とネギ買ってきて」という文字列をgrowlnotifyにパイプすれば、たちどころにiPhoneへプッシュされる。SMSを使えば済む話かもしれないが……こんなことまでターミナルでやるのか、というネタとしてお楽しみいただきたい。

glowlnotifyの設定画面で表示スタイルに「Boxcar」を選択しておく

ターミナル上でコマンドを実行すると……

iPhoneへメッセージを送信できる


筆者紹介──海上忍

 ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザーにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。


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