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Windowsアップグレード権付きクラウド管理ツールも提供

表示が違う!で移行できないユーザーもWindows 7へ

2010年10月13日 09時00分更新

文● 金子拓郎/TECH.ASCII.jp

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Windows 7への移行期を乗り切るデスクトップ仮想化

 Windows 7展開施策の2つ目「デスクトップ仮想化(VDI)」は、サーバの仮想化環境でクライアントOSを実行し画面を配信する、最近流行の技術である。このVDIは情報漏えい対策などのセキュリティとして利用するケースも多いが、会場ではWindows 7を効率的に展開するために利用するケースが紹介された。

 つまり、Windows 7への移行を始めるが、Windows XPの環境はまだ必要だという場合

移行初期
Windows 7がプレインストールされたPCを新規導入し、ダウングレード(Windows XPへの入れ替え)は行なわず、Windows XPをVDIで提供する
移行後期
古いPCは破棄し、大半の環境はWindows 7のPC。数少なくなったWindows XPのPCは、VDIでWindows 7を提供する

とする方法だ。こうすることで、会社の中にWindows XPのPCが残っていても、ユーザー環境をWindows 7に統一することが可能になる。

VDIを利用したWindows 7への移行手順

 マイクロソフトはVDI普及に関してシトリックスと協業を行なっており、VDI向けのライセンス数は2009年4~9月期と比べ、2010年同期には240%に増加したという。

シトリックスとの協業でVDI普及を目指す

Windows 7が付属するクラウド型セキュリティ管理

 Windows 7展開施策の3つ目は、サブスクリプションサービス「Windows Intune」の提供である。すでに米国では発表されている、クラウドを利用したPCセキュリティ管理サービスだ。マイクロソフトの管理スイート「System Center」がクラウド上にあり、インターネット経由でクライアントPCを管理するイメージだという。

 可能なことは、更新プログラムの管理やセキュリティポリシーの設定、ソフト/ハードのインベントリ収集、ライセンス管理、そしてウイルス対策だ。企業向けのウイルス対策では、社内に管理サーバが必要となる製品も多いが、Windows Intuneを使えばサーバなしで集中管理に対応したウイルス対策が可能になるわけだ。

クラウドでPCを守る「Windows Intune」

 対象は、中堅中小企業。利用可能なクライアントPCは、理論上は最大1万台となるが、管理実務を考えると500台程度までとなる。管理対象はWindows XP Professional SP3以降で、Active Directoryを導入していなくても利用できる。

 Windows XPにも対応という点は「Windows 7展開施策」にふさわしくないように思えるが、Windows Intuneのポイントは、クライアントSAサブスクリプションが付属する点にある。SAにはWindows 7 Enterpriseを利用する権利が含まれている。つまり、管理やセキュリティ目的でWindows Intuneを契約すると、自動的にWindows 7 Enterpriseへのアップグレードも可能になる仕組みだ。

 現在米国などでベータテストをしている段階で、正式提供は2011年の上半期の予定だという。

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