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W3C幹部、WebサイトのHTML5化は「時期尚早」

2010年10月08日 14時35分更新

文●Web Professional編集部

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 W3Cのインタラクション領域責任者であるフィリップ・ル=エガレ氏が、米ニュースサイトInfoWorldの記事でWebサイトをHTML5化するのは時期尚早であると述べていることが話題になっている。HTML5の仕様はまだ確定しておらず、Webブラウザーの対応状況も各社各様で互換性があるとはいえない状況でWebサイトをHTML5に対応するのは問題だという。

 ル=エガレ氏が領域責任者(ドメインリーダー)を務めるW3Cのインタラクション領域は、HTML5やCSS3、Web APIなど、Webブラウザーを通じてユーザーと接する技術の仕様策定を担当している。そのル=エガレ氏が「WebサイトがHTML5に対応するのは早すぎる。動画再生など、Webブラウザー間で互換性の問題が起きているからだ」と述べているのだ。

 ただ、ル=エガレ氏が懸念を示しているのはWebサイトへの早すぎる普及であって、HTML5という技術への期待を打ち砕くものではない。「ゲームチェンジャー」としてWebの世界に革新をもたらす技術への期待はあって当然。とはいえ、革新に伴って互換性が重要な意味を持つ「オープンWeb」の考え方を忘れてはいけない、というわけだ。2001年に公開されたInternet Explorer 6がいまだに使われていることを考えると、HTML5未対応のWebブラウザーは今後も使われ続ける。ル=エガレ氏は2011年中頃には機能面を確定させる意向を示しており、特に企業サイトがHTML5に安心して移行できるのは、確定したHTML5に対応したWebブラウザーが登場してからになるだろう。

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