OSの切り替えを行ない
スマートフォン市場での生き残りを図る
これらはすべて、RIMの課題の1つとされているアプリケーション開発者の活性化に関する取り組みとなる。RIMはアプリマーケット「BlackBerry App World」を提供しているが、アプリケーション数はというと、やっと1万本に達したところだ。iPhoneのApp Storeが25万本、Android Marketも10万本前後といわれていることを考えると、大きく遅れをとっている(RIMはアプリの本数については“量より質”を強調しており、そのこと自体はある意味正しいと思うが)。アプリケーションストア周りでRIMは、Callmaniaなどの買収も行なっており、今後も強化していくと思われる。
プラットフォームでもう1つ、気になる情報が出ている。タブレットで搭載した「BlackBerry Tablet OS」は、同社が2010年4月に買収した組み込みシステム用のリアルタイムOSベンダー、QNXの技術を土台としているが、スマートフォンOSでもQNXベースに置き換えていくといううわさだ。
スマートフォン情報サイトのIntoMobile(http://www.intomobile.com/)などが、RIMのプラットフォーム担当バイスプレジデント、Alan Brenner氏から聞いたとして報じた情報で、現行のBlackBerry OS 6の後にバージョン7をリリース、その後QNXベースに置き換わるという。これにより、低消費電力、安定性、マルチメディア性能の強化などのメリットが得られると見ているようだ。
RIMは現在Symbianに次ぐ第2位のシェアを持つが、Androidから2位の座を奪われるのは時間の問題のように思える。Gartnerの2010年第2四半期のデータでは、RIMのシェアは18.2%でAndroidは17.2%。差はわずか1%となった。ただしRIMのBlackBerry OSは同社しか搭載機を開発しておらず、戦略的決定や変更がしやすい。RIMがどれだけ踏ん張れるかに注目だ。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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