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いよいよ始まる日本のIaaS-2010年版- 第6回

堅牢なネットワークやグローバル展開、SaaS連携も魅力

クラウドに本気の企業ならNTT Comの「Bizホスティング」

2010年10月05日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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強みはやはりネットワーク。SaaS連携も大きなメリット

 これらのサービスの強みは、やはり通信事業者ならではのネットワーク。「クラウドはネットワークを経由して使うので、ネットワークの品質まで考えて、安心・安全を提供できることが重要です。また、Amazon EC2などに比べて、トラフィック課金をチャージしない点も大きなメリットです」(成田氏)という。関東近県のデータセンターを高速な回線でメッシュ接続する「首都圏マルチデータセンター」や、トライアングル型で冗長性を確保したアジア向け海外回線などの足回りも、まさに通信事業者だからこそ実現できたインフラといえる。

 また、グローバルでの展開も大きな強みだ。世界のさまざまな場所で使えるという点も大きいが、「IT機器やVMwareなどのソフトウェアもグローバルで調達をかけているので、かなりコストダウンになっています」(松浦氏)といったスケールメリットもある。グローバルでのディザスタリカバリなども安価に提供できる点も大きい。

 さらに、IaaS単体のサービスのみならず、他のサービスと連携可能なのもメリット。広域Ethernet、IP-VPN、エントリVPNなどの閉域網での利用はもちろん、同社が展開するBizメール、Bizストレージなどのサービス、そしてパートナーまで含めて幅広く展開する「BizCITY SaaSアプリケーション」も大きな魅力となっている。「先頃、新たに28社をBizCITYアプリケーションパートナーとして追加し、ますます幅広いアプリケーションを選択できるようになっています」(販売促進部 瀧澤 剛志氏)という。

各種BizCITYのサービスと連携できるのも大きな売り

基幹システムまで!本気モードの企業がユーザー

 現在、多くのパブリッククラウドはオンラインゲームやSNSを展開する事業者が利用するケースが多い。トラフィックの増減に対して、ITリソースをスピーディに縮退できるというニーズがクラウドの特性にマッチしているからだ。

 一方、Bizホスティングは、いわゆる典型的なパブリッククラウドの顧客と異なるユーザーをつかんでいる。エンタープライズに関しては「通信販売や旅行会社、イベント会社など大手企業の採用も多いですし、SAPやオラクルなど基幹系のシステムも請け負っています」(田村氏)とのこと。安価なベーシックでも「確かにSaaSをスモールスタートで展開するという用途もありますが、グループウェアやメールのほか、ERPや会計ソフトを導入されているお客様もいます」(〆野氏)という。いずれにせよ、情報システムのアウトソーシングという「本気モード」な企業導入が多いのだ。「低価格・オンデマンド」な米国クラウドと大きく異なるコンセプトを持つBizホスティングのメリットが、日本のユーザーにきちんとアピールしているのかもしれない。

 今後はIPv6対応や仮想専用型SSLアクセラレーターの提供などを進めていくほか、より低廉な価格体系やサービスも近々投入される予定となっている。

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