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松村太郎の“モバイル・ネイティブ”時代の誕生を見る 第12回

海外パケット定額で得られた新しい旅の楽しみ

2010年09月30日 12時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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旅行とモバイル×ソーシャルの情感

 さて以前の筆者は、Twitterと位置情報や写真投稿を連携させることができるBrightKiteというサービスを利用していたが(関連記事)、今年になって位置情報系のサービスはfoursquareに移行している。

 BrightKiteにしてもfoursquareにしても、その場所にいることを明示する「チェックイン」をする点では同じだが、行く場所によってバッジがもらえたりポイントを稼いだりするゲーム性が伴う点で、foursquareにはBrightKiteとは違うおもしろさがある。

 またfoursquareではただユーザーがスポット情報を集積するだけでなく、飲食店などがfoursquare上でクーポンを配布できる仕組みを持っている。たとえば「バーに3回チェックインしたら最初の1杯をサービスする」といった条件も設定できる。

 クーポンの情報があると、周囲のスポット情報にアイコンが表示され、その特典内容をチェックできる。また店に何人くらいがチェックインしているか、過去にチェックインした経験があるかといった情報から、その店が流行っているかどうかまでわかってしまう。

 今回の旅行での経験としては現地のテレビを見ていたときに、テレビ番組やコマーシャルでFacebookとTwitterに加えて、foursquareについても「フォローしてね」といった字幕が踊っていた。番組自体がfoursquareのアカウント持っていて、番組情報やロケ情報などを流しながら、視聴者とのコミュニケーションを盛り上げているのだ。

アメリカでは街のレストランやテレビ番組などでfoursquareが活発に使われているようだ。たとえば「Tiki’s Grill」というレストランでは、3回チェックインするとマイ・タイが無料という特典をつけて集客に活用している

 また今回の旅の道中、Twitterに写真を投稿しながらレポートしていた。僕はマウイ島で過ごしたが、ほかにもニューヨークに行ったり、パリに行ったりと連休中に海外のさまざまな場所に友人たちが羽を伸ばしていた。Twitterのタイムラインを眺めていると、それぞれの旅先のキレイな風景や街の雰囲気がマウイ島にいながらリアルタイムに、情感たっぷりに伝わってくる。他の人の旅を追体験したり、それぞれの旅先の様子を語り合ったりしたのである。

 海外でのパケット定額は、単純に海外の通信コストが下がることが本質で、特にビジネスユーザーにとって、もっとも利便性が高いサービスなのだろう。しかしスマートフォンとソーシャルメディアで距離を超えて旅の経験を伝え合う体験は、普段東京で過ごしている時以上に豊かに感じられた。ぜひ多くの人にこの体験をしてほしいし、皆さんの旅の体験が見られるのを楽しみにしている。


筆者紹介──松村太郎


ジャーナリスト・企画・選曲。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。嘉悦大学、ビジネスブレイクスルー大学でも教鞭をとる。テクノロジーとライフスタイルの関係を探求。モバイル、ソーシャルラーニング、サステイナビリティ、ノマドがテーマ。スマートフォンに特化した活動型メディアAppetizer.jp編集長。自身のウェブサイトはTAROSITE.NET


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