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松村太郎の“モバイル・ネイティブ”時代の誕生を見る 第12回

海外パケット定額で得られた新しい旅の楽しみ

2010年09月30日 12時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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海外パケット定額がスタート
iPhoneの場合、何をすればいいか?

 すでに前ページで書いてしまったが、今年は海外におけるパケット通信で劇的な進歩を遂げている。まずソフトバンクは2010年7月から「海外パケットし放題」をスタートし、2011年6月まで日額1480円で使い放題になる(それ以降は日額1980円。動画などの利用は日額2980円)詳しくはソフトバンクのサイトでチェックしてほしい。

 これに対抗してドコモも「海外パケ・ホーダイ」を、同様の価格設定で打ち出した(詳細はドコモのサイトで)。いずれのサービスでも定額対象となるキャリアが限定されるので、接続先に注意する必要がある。

 さて、パケット代が定額になったというが、実際に定額対象の形で利用するためにどうすればよいのだろうか。離陸前から準備しておくと、僕みたいなちょっとした失敗をしなくて済むはずだ。実際に持って行ったiPhone 4を例に設定について触れていこう。

 飛行機に乗る際は一度必ずケータイの電源を切らないといけないが、iPhoneの電源を切る前に「設定」「一般」「ネットワーク」の画面で「データローミング」をオフにしておこう。こうすれば海外に降りたって、電源を入れた際、自動的に定額対象外のキャリアに接続してしまってもパケットが課金される心配がない。

成田から飛び立つ前に、データローミングをオフにしておく

 そして「フライトモード」をオンにして電源を切って飛行機に乗り込む。そうすれば飛行中に音楽やビデオを見ようとiPhoneの電源を入れても、すんなり使えるうえに電池も長持ちする。

 さて現地に着いたら、電源を入れてフライトモードをオフにし、「設定」「キャリア」をタップする。しばらくすると、利用できるキャリアの選択肢が現れるため、定額対象のキャリアをここで選択する。普段キャリアの設定は「自動」になっており、国内ではソフトバンクが勝手に選ばれているが、キャリアの画面を出してしばらく待っていると、アメリカであれば「AT&T」と「T-Mobile」が表示される。アメリカで定額対象になっているのはAT&Tなので、当然AT&Tを選ぶ。

 この順番で設定したのちにオフにしていたデータローミングをオンにすれば、海外パケット定額が適用されるデータ通信が可能になる。さらにソフトバンクでは、海外で最初にキャリアに接続した際に、定額対象か定額対象でないかを知らせるSMSが送信されてくる。このSMSを確認してから定額対象かどうかをチェックしてからデータローミングをオンにしてもいい

飛行機を降りたら、フライトモードを解除する。ここで定額対象キャリア以外が選択されていると、左画面のようなSMSが届く。「設定」「キャリア」の画面で、適切なキャリアを選択しよう

 ちなみに、僕のちょっとした失敗とは出国時に「データローミング」をオフにしていなかったこと。だから少しだけ定額対象外のT-Mobileでパケット通信を使ってしまった。ぜひ皆さんは注意して頂きたい。

 もうひとつ注意しておきたいのはメールである。ドコモユーザーの場合は、ケータイメールというとほぼ確実にiモードメールを使っており(SMSも利用できなくはないが、まず使わない)、これは定額の対象となる。一方ソフトバンクの場合、SMSとケータイメールであるMMSにはあまり区別がなく、電話番号をアドレス代わりにしてメールを送った場合は自動的にSMSを利用していることになる。SMSの受信は海外パケットし放題に関係なく無料だが、送信には1通100円がかかり、定額サービスの対象外となる。そのためソフトバンクの端末同士でメールをやりとりする際には、必ず「@softbank.ne.jp」のメールアドレスで送信する必要がある。

ちなみに日本に帰ってきたときは「キャリア」の画面で「自動」を選び直しておくと、ソフトバンクの電波が途切れた時に、いちいちキャリア設定をうながすアラートが出なくなる

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