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万能ユニファイド・ストレージで仮想化対応もバッチリ

EMC、EFDやFAST Cacheの導入メリットを披露

2010年09月24日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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9月22日、EMCジャパンは「ユニファイド・ストレージ」についての説明会を開催した。あらゆるプロトコル、あらゆるデータ形式を統合したプラットフォームで扱えるというユニファイド・ストレージのメリットをアピールするとともに、低価格化されるEFD(Enterprise Flash Drive)やパフォーマンスを向上させる「FAST Cache」なども紹介された。

幅広い仮想化に対応するユニファイド・ストレージ

EMCジャパンのテクニカル・コンサルティング本部 プロダクト・ソリューションズ統括部 マネージャ 中野逸子氏

 説明会の冒頭、EMCジャパンのテクニカル・コンサルティング本部 プロダクト・ソリューションズ統括部 マネージャ 中野逸子氏は「ユニファイド・ストレージ」の概要と背景を説明した。同社はIT as a Serviceという流れで、プライベートクラウドや仮想化を推進している。このなかで重要になるストレージの要件として、「段階的な仮想化に応じたサービスを提供できること、クリティカルな領域で仮想化が用いられるにあたって必要となる信頼性。そして、サーバー仮想化と同じく、コスト効果の高いストレージが重要」(中野氏)などが挙げられるという。

 こうした要件を満たすのが、EMCのユニファイド・ストレージである。そのコンセプトは「1つのストレージで、ブロックデータも非構造データも扱える。さまざまなデータ形式をFC、Ethernet、iSCSI、FCoEなど幅広いプロトコルで扱える。そして新しい管理ツール「Unisphere」で統合管理できる」(中野氏)というもの。製品としては、SANストレージの「CLARiX」、SAN+NASをサポートする「Celerra」、そしてNAS用のゲートウェイにある「Celerraゲートウェイ」などがユニファイド・ストレージに該当する。2月22日付の新ハードウェアとして「CLARiX CX4-120」と「Celerra NS-120」も新たに追加された。なお、FCoEのサポートは2010年の第4四半期(10~12月)の予定。

多彩な機能を誇るEMCユニファイド・ストレージの概要

 こうしたユニファイド・ストレージを活用することで、さまざまなVDIや仮想化ニーズに対応するほか、Unisphreによるファイルとブロックの共通管理が可能になるという。また、「先んじて容量を確保するお客様は多いが、ストレージの3~5割は未使用の状態」(中野氏)という現状から、ストレージ効率化も徹底的に追求している。具体的にはシンプロビジョニングによる容量の効率化、ドライブの回転停止による電力消費削減、圧縮・重複排除によるデータ削減、異なるレベルのストレージでの自動階層化「FAST:Fully Automated Storage Tiering)などの機能が用意されている。

EFD活用で階層化もキャッシングも思いのまま

 今回はユニファイド・ストレージのいくつかの機能が紹介された。1つ目はEFD(Enterprise Flash Drive)の活用。EFDは高性能・低消費電力・高信頼性を実現するエンタープライズ向けのSSDで、9月22日付で価格を30%を下げたほか、100・200GBのモデルを新たに提供開始した。このEFDをシンプロビジョニングと自動階層化を組み合わせることで、容量の効率的な利用、性能の向上を同時に実現できるという。具体的にはEFDとFC HDD、SATA HDDの異なるレベルのストレージにおいて、1GB単位のスライスを生成し、このスライスを単位にしてLUN(論理ボリューム)を作ることができる。たとえば、アクセス頻度の高いデータの格納にはEFDを多めに割り当てたLUNを、眠っているデータが多い場合はSATA HDDをメインにしたLUNを動的に構成することが可能だ。

高性能・低消費電力・高信頼性を実現するエンタープライズ向けのEFD

 また、「FAST Cashe」という機能を用いると、EFDをストレージキャッシュとして利用できる。最大2TBまで利用でき、各機種に設けられているキャッシュサイズの限界を超えられるというメリットがある。FAST Cacheにより、SQL Serverのトランザクション数は2倍、VMware Viewのレスポンスタイムを4倍の高速化を実現。リードだけではなく、ライトでも利用でき、64KB単位でEFDにコピーしたり、コピーバックすることが可能になる。

EFDをストレージキャッシュとして利用できるFAST Cache

 さらに、LUN単位でのブロックデータの圧縮やサーバーCPUの処理をストレージ側にオフロードするVMwareとのAPI連携などの新機能も披露された。

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