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最新パーツ性能チェック 第99回

1万円台で買える「GeForce GTS 450」はお買い得か?

2010年09月25日 23時45分更新

文● 石井 英男

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テスト環境

 それでは、いよいよパフォーマンスを検証していきたい。テスト環境は以下に示した通りで、比較用として上位のGeForce GTX 460搭載ビデオカードと、同じミドルレンジGPUとして人気の高いRadeon HD 5770搭載ビデオカード(価格的には下位のRadeon HD 5750とちょうど同程度になるが)を用意した。グラフィックドライバについては、GeForce系はレビュー用に配布されたGeForce Driver 260.52を、Radeon HD 5770については最新のCatalyst 10.9を利用した。

テスト環境
CPU Intel「Core i7-860」(2.8GHz)
マザーボード EVGA「EVGA P55 Classified 200」(P55)
メモリー DDR3-1333 2GB×2
ビデオカード GeForce GTX 460(768MB)
GeForce GTS 450(1GB)
Radeon HD 5770(1GB)
HDD Western Digital「WD10EADS」(1TB)
電源 Thermaltake「Toughpower QFan 650W」(650W)
OS Windows 7 Ultimate(64bit)
フラフィックドライバ GeForce Driver 260.52
Catalyst 10.9

Radeon HD 5770に迫る性能を実現

3DMark Vantage

 グラフ1は、「3DMark Vantage」の総合スコアである。3DMark Vantageは、DirectX 10世代のベンチマークテストだが、かなりGPU負荷の高いテストだ。GeForce GTS 450のスコアは、GeForce GTX 460の約7割となっており、ほぼ理論通りのパフォーマンスが出ているといえる。Radeon HD 5770との比較では、ほぼ互角のスコアになっているが、3DMark Vantageには、旧AGEIAが開発した物理演算ライブラリ「PhysX」を利用するテストが含まれている。旧AGEIAは、NVIDIAに買収されたため、GeForce 8シリーズ以降の製品では、PhysXをGPUで高速に処理するためのPhysXドライバが提供されているのに対し、Radeon系GPUではPhysXドライバドライバが用意されていないため、3DMark Vantageのスコアは低くなりがちである。

【グラフ1】3DMark Vantage (単位:score) better→

 次に、3DMark Vantageの個別テストであるFeature Testの結果を見てみよう。以下の結果は、すべて「Performance」設定時のものである。 Feature Test1(グラフ2)は、Texture Fillテストで、テクスチャ転送時のフィルレートを計測するテストだ。GeForce GTS 450のスコアは、GeForce GTX 460の66%ほどのスコアとなっており、Radeon HD 5770にもかなり差をつけられている。

【グラフ2】FeatureTest1:Texture Fill(単位:GigaTEXELS/s)better→

 Feature Test2(グラフ3)は、Color Fillテストで、色を変えながらピクセルを塗りつぶしていき、そのパフォーマンスを計測するテストだ。こちらは、Feature Test1よりも、GeForce GTX 460との差が縮まっており、GeForce GTX 460の75%ほどのスコアとなっている。

【グラフ3】FeatureTest2:Color Fill(単位:GigaTEXELS/s)better→

 Feature Test3(グラフ4)は、バンプマッピングをさらに進化させた複雑な凹凸の表現が可能なParallax Occlusion Mappingと呼ばれるマッピングをおこなうテストであり、ピクセルシェーダの演算性能が効いてくる。このテストは、Radeon系が得意なようで、Radeon HD 5770がGeForce GTX 460を上回るスコアを出している。

【グラフ4】FeatureTest3:Parallax Occlusion Mappoing(単位:fps)better→

 Feature Test4(グラフ5)は、GPU Clothと呼ばれるテストで、布(旗)が風にはためく様子の物理シミュレーションをおこなわせるものだ。主に、バーテックスシェーダの性能を見ることができる。こちらは、GeForce系が優秀で、GeForce GTS 450がRadeon HD 5770とほぼ同じ結果となっている。

【グラフ5】FeatureTest4:GPU Cloth(単位:fps)better→

 Feature Test5(グラフ6)は、GPU Particlesと呼ばれるテストで、数十万個もの微粒子(パーティクル)を風に乗せて流し、透明な物体の凹凸の様子を可視化するものだ。このテストでは、バーテックスシェーダとジオメトリシェーダのパフォーマンスが効いてくる。このテストも、GeForce系が優秀であり、GeForce GTS 450はRadeon HD 5770よりも12%ほど高いスコアを出している。

【グラフ6】FeatureTest5:GPU Particles(単位:fps)better→

 Feature Test6(グラフ7)は、Perlin Noiseテストと呼ばれるもので、3つの異なる周波数から演算によって生成されるノイズをRGBの各色に割り当てて表示するものだ。ピクセルシェーダの演算性能によって結果が左右されるのだが、このテストでは、Radeon HD 5770が非常に優秀であり、GeForce GTS 450の2倍以上のスコアを叩き出している。

【グラフ7】FeatureTest6:Perlin Noise(単位:fps)better→

(次ページへ続く)

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