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ゲーム会社の考えをリセットした 「ニコゲー」の挑戦

2010年09月18日 12時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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おじさんがジャンプするだけなのに、それが再現できない

―― ジェネレーターのレベルを考える際、意識したことはありますか。

配野 「女性」です。ニコニコ動画は男性が圧倒的に多いサイトです。なので、女の子が生放送に出たりすると、すごい人気が出ますよね。なので「女性も作れる」というのを1つの基準にしておきたかったんです。そこでどうやって分母を大きくできるかと。

ジェネレーターは「女性でも作れる」をコンセプトに制作の難易度を下げた。マウス操作だけでゲームのほぼすべてがセッティングできる


―― ニコニコのような場所の場合、ハイアマチュア層のユーザーが「どうせならもっとこだわりたい!」と考えることもありそうです。

配野 もっとあれやりたい、これやりたいという意見は社内でもあったんですが、そうするとどんどん敷居が上がっていくんです。ユーザーが増えて要望が高まったら高機能版を上げようと。キャラクターのパラメーターを数値で指定できるようにするとか。

 それに、同じ条件で工夫をする方が、センスが求められると思うんですよ。音楽や画像は自由に変えられますし、調整のうまさはゲームに出ます。たとえば、ジャンプしたときの滑り方とかを、すごくうまくまとめてる人がいるんですよ。

 作ってみれば分かりますが、思ったとおりにいかない。任天堂のすごさがよく分かると思います。ぼくらも(ニコゲーで)ゲームを作ってみて「マリオすげー!」と思いましたよ。「おじさんがジャンプするだけなのに、なんでそれが再現できないんだ!」と。


―― なるほど。同じツールを使っている以上、こだわるところはどこにでもあると。

配野 それに、お金をとらないからこそ出せるアイデアというのはあると思うんですよね。たとえば、投稿されたゲームには「脱衣シューティング」なんてのがありました。下着姿の女性をボスキャラにして、同じサイズの「服」を重ねてあるんです。撃つと脱げると。ゲームそのものは単なる連打ゲーなんですけど、プレイ回数はもう1万回を超えてます。

シューティングゲーム「メイド服を脱がさないで♪」(左)、アクションゲーム「The Black」(右)。いずれも市販のゲームとはやや違ったアプローチで人気を博している


―― そういう変化球のようなゲームが、ニコニコ動画と同じようにタグやジャンルといった形で広がることを想定しているわけですか。

配野 それで言うと「BAD」があります。これもつけるかどうか悩んだんですけど。でもクソゲーはクソゲーってみんな言いたいんじゃないかって。動画よりもゲームの方が「クソ」と言いやすいけど、それがネガティブとは言いきれないところがあると思うんです。

 むしろ自分で「BAD」多い順にソートをかけて、上からやってみたくなるって気持ちがあったりする。そこまで言うならやってみたいと。すごく作りこまれてるクソゲーとか、考えただけでやってみたいじゃないですか。そこも1つ面白さになるのかなと思います。

ゲームは「GOOD」「BAD」で評価するほか、「神ゲ」「糞ゲ」というジャンル分けも

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