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「シカクいアタマをマルくする」採点システムに採用

セキュリティ+バックアップでSMBを攻めるシマンテック

2010年09月15日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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9月14日、シマンテックは中小規模企業向けの製品計画や戦略を発表するプレス向けイベントを開催した。後半にはユーザーである日能研の担当者が、同社のシステム概要を講演した。

セキュリティから情報保護へ

常務執行役員 パートナービジネス担当 内田和弘氏

 発表会の冒頭、常務執行役員 パートナービジネス担当 内田和弘氏は「中小規模企業情報保護調査の調査結果」を引き合いに出し、中堅・中小企業の情報管理について説明した。同氏は73%がこの1年間にサイバー攻撃に遭っているほか、前回に比べて情報漏えいを危険と捉えている割合が増えている現状を挙げた。また、「今まで500名以下はセキュリティだけに関心があった状態だが、今回の調査はバックアップやアーカイブに大きな関心を持っていることがわかった」という点を挙げた。しかし、バックアップやリストアが必要なのにもかかわらず、SMBでは管理者が兼任で、予算を欠けているという現状があるという。

 これに対して、内田氏「今までセキュリティとか、バックアップとか、個別に導入してきたが、私たちはそれらをまとめた『スイート化』を進めている。特にセキュリティとバックアップは切っても切り離せない」とのことで、SMB市場でのスイート戦略を紹介した。

SMB市場に押し寄せる波

 またSMBに関しては、パートナーの販売体制に依存しているため、パートナーへのサポートがきわめて重要になる。これに対してシマンテックが力を入れているのが、「SPP:Symantec Partner Program)というパートナーの支援プログラム。具体的にはパートナーの認定プログラムや技術支援、情報提供、マーケティング支援などを実現する。2010年9月現在、認定資格の取得者は2356名を記録しており、来年は技術コミュニティを立ち上げる予定になっている。さらに昨年の10月から「SMBスペシャリゼーション」というSMB市場向けの認定パートナー制度も推進しており、2010年8月末で95社のパートナーを獲得している。

日能研はバックアップもセキュリティも
シマンテック製

 発表会では、こうした中堅中小企業のシマンテック製品ユーザーとして日能研の情報企画ディレクターの原和彦氏が、個人向けWeb情報サイト「MY NICHINOKEN」と大量の採点業務を迅速に行なう「DI(デジタルイメージ)学習支援システム」について説明した。日能研では、現在全国135カ所で塾を運営しており、1500台のPCをSymantec AntiVirus Corporate Edition/Endpoint Protectionを導入し、個人情報を保護。また、データベースサーバーやファイルサーバー、認証サーバーなどでSymantec Backup Exec/Symantec Backup Exec System Recoveryなどを導入し、テープやNASへの安全なバックアップを実現したという。システム構築や運用は、シマンテックのパートナープログラムに加入した日能研の子会社であるエヌ・ティ・エスが行なった。

記者たちに日能研の問題を出しながら、システムの背景について語る日能研の情報企画ディレクターの原和彦氏

 原氏によるとDI学習支援システムでは、「テストで解答した用紙をスキャンし、採点センターに送って、採点をエキスパートに分担。さらに答案用紙は生徒にも戻している」とのこと。これにより生徒は、終了したばかりのテストをすぐに振り返ることができるようになったという。また、採点に関しては、生徒が書いた漢字だけをデータから取り出して、専門の採点担当者が他の生徒と比べて評価できるという。同社では「自立して学習する人」をモットーにさまざまな施策を行なっており、その実例が発表会でいくつも披露された。

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