解像感の落差はあるものの
3D効果豊かな映像が手軽に楽しめる
さっそく3D撮影を試してみた。前述の通り、本機は3Dテレビと組み合わせて初めて3D映像の視聴が可能なので、撮影した映像をその場で3Dで確認することはできない。自宅などに帰って3Dテレビで確認することになる。
記録解像度がフルハイビジョンのおよそ半分以下ということもあり、2D撮影での鮮明さと比べるとやや解像感には落差がある。
それでもいかにもSD画像のアップコンバートという映像のようになるわけではなく、強いて言うなら720pの動画相当の情報量は得られている。これは、3D撮影用に調整された「超解像処理」などが加えられていることもあるだろう。
ちょっと引いて遠くの景色まで撮ろうとすると、遠景の被写体は甘い感じになってしまうが、クローズアップのディテール再現などなら、あまり解像感の劣化は気にならない。
圧巻なのは3Dの立体感で、フルオートで撮っただけの映像がこんなにリアルな3Dになるのかと驚く。実際、自分で撮影した映像なので、撮影した風景の距離感や位置関係をわかっているだけに、それらが実にリアルに再現されていることが改めて実感できる。この生々しい映像のニュアンスは、3D映像ならではのもので、多少の解像感の低下などはあまり気にならなくなる。
気になったのは3D映像の場合、画面の周囲に黒枠の入ったやや縮小された映像になっていること。テレビ側の設定で黒枠を消すことができないのだ。
黒枠なしのフルHD解像度まで拡大できたとしても、解像感の劣化が目立ってしまうのかもしれないが、3Dテレビの画面で見ていると一回り小さくなってしまうし、臨場感豊かな3D映像だけに画面いっぱいに拡大して見たいと感じた。
また、3D静止画の撮影ができない点も少々不満だ。3D静止画の表示規格などはまだ各社独自の方式であるため、採用しにくいのも理解できるが、テレビ画面などで表示できるだけでも3D撮影の応用の幅は広がると思う。この2点は、ぜひとも将来的に改善してほしい。
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