2D映像は圧巻の高精細! クラス最高峰のiAズーム18倍の画質も優秀
続いて、2D映像についてもチェックしてみた。その映像はかなり高精細で、さすがはフルハイビジョンと言えるもの。最初に1080/60pの撮影モード(転送レート28Mbps)を試してみたが、解像感の高さだけでなく、動きの滑らかさが印象的だった。
通常、1080/60i撮影では、動きの速い映像を撮ると、時折インターレース特有の乱れが生じることがあるが、そうした映像の乱れがまったくないのだ。ただし、AVCHD規格ではなくなるので、BDなどのへのダビングはできず、SDメモリーカードへの保存以外はできない。筆者の使うPCの動画ソフトでも取り込みがうまく行かなかったため、撮影画像は掲載できなかった。ちなみに、3D撮影時は1080/60pの撮影は非対応で、AVCHD規格の1080/60i(HAモード)が最高となる。
そして、iAズームの解像感の高さにも感心した。本機の光学ズームは12倍だが、超解像技術を応用したデジタルズーム「iAズーム」により18倍まで拡大できる(通常のデジタルズームによる30倍/120倍も選択可能)。
デジタルズームは倍率を上げるほど画質が劣化するため、個人的にはあまり使いたくないと思っているのだが、iAズームでは解像感の劣化などもほとんど目立たず、光学ズームと変わらない印象だ。このクラスのモデルは、レンズ性能と画質のバランスを考え、10~12倍程度の光学ズーム(本機の場合、35mm換算で35~420mmの12倍)になっているが、望遠側が18倍まで伸びるのは魅力的。しかも画質劣化がほとんどないので、これはかなり有効な機能と言える。
ライバルを追い越したか!? かなり進化した「ハイブリッド手ブレ補正」
ここからは、本機のパワーアップした高画質撮影機能にフォーカスしていこう。3D撮影が大きなトピックとなるものの、HDビデオカメラとしては3MOSセンサーの画素数や主要な機能などTM700と大きく変わらない印象がある本機だが、これから挙げる2つの点では大きな進化を果たしている。
ひとつめが「ハイブリッド手ブレ補正」。これは、光学式手ブレ補正による垂直/水平の手ブレ補正に加え、電子式手ブレ補正により、手首の動きによるタテ回転/横回転のブレを抑えるもの。もちろん、歩き撮りなどで目立ちやすいゆっくりとした手ブレの補正にも対応している。
手ブレ検出は合計で4軸となり、スペック的にはライバルを超えている。実際に撮影した映像も、かなり安定感のある映像で、ゆっくりと歩く程度の手持ち撮影ならば、スティディカム(滑らかな移動映像が撮れるカメラ機材)で撮っているかのように不快な映像の揺れが抑えられている。
さらに、液晶モニター画面に表示されているアイコンをタッチすることで、ズーム時などの手ブレをさらに強力に抑える「光学式手ブレロック機能」も採用された。先述のiAズームの18倍ともなると、手持ちではかなり映像が大きく動いてしまうのだが、光学式手ブレロック機能を使うと映像はかなり安定する。
ゆっくりと大きく映像は動いているのだが、手ブレというほどではないし、意図しない動きで映像が乱れたり、フォーカスが外れてしまうこともない。なお、画面を指でタッチすると同時に、液晶モニター部ごと押さえるように使えば、より安定した撮影ができる。
これらによって、三脚を併用する必要はほとんどないかと思えるほど、撮影はしやすくなった。スナップ撮影感覚で散歩中の映像を撮影したり、自由に動き回る子供たちの姿を追うような場合、この手ブレ補正は強力な武器になるだろう。
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