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SF的なグリッドシステムが紡ぎ出す、ジャストな結果

Justy Finder──セキュリティー企業が始めた価格比較サイト

2010年09月28日 10時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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扉をくぐるとそこには、SFを思わせる近未来的な光景が広がっていた

SFの世界に迷い込んだようなサーバールーム

 最後に、今回の取材で特別に入ることができた、月島にあるJusty Finderのサーバールームを紹介しておこう。

データセンターの入り口。なにやら物々しい雰囲気である

入退出も厳重に管理されている

 扉を開くとそこには圧巻の光景が広がっていた。ラックに整然と並べられた数百台のマシンとそれを覆うように敷き詰められたディスプレー。暗闇の中に浮き上がったマシンの群れを眺めていると、まるでSF映画の世界に迷い込んだような感覚がある。

Justy Finderのグリッドシステムは、すべてデルのマシンで構成されている

日本中のECサイトからロボットが価格情報を収集している

Justy FinderでもInPが動作している

 Just Finderは225台のワーカーマシン、30台の共有メモリーサーバー、そして100台の検証用マシンで構成された巨大なグリッドシステムによって運用されていたのだ!

Justy Finderの構成図。30台のマシンで構成された共有メモリーサーバーに収集した検索結果をため、225台のマシンで構成されたグリッドシステムで処理する。ひとつのグリッドはウェブサーバー、全文検索、検索ロボットの3つの機能を持っており、負荷に応じて検索処理または情報収集を行なう

 約1500サイト(商品点数では約1000万点)から収集した価格情報は2~5時間おきに最新のものに更新される。初回の全文検索に必要な時間は2秒ほどだが、検索結果はキャッシュされ、15分以内に同じ内容で検索があった場合は、より高速に結果が返せる。現在は約250台のマシンで運用されているが、1台単位でマシンの追加/切り離しが可能。負荷が高まれば台数を増やすだけと簡単だという。

デルのサーバー。ラックは特注品で、排熱などを考慮した独特の構造になっている。すべて社員が設置した

背面。それぞれのマシンはGigabit Ehternetで接続されている

 225台のワーキングマシンにはクアッドコアのCore i7が利用されており、ハイパースレッディングテクノロジーにより、合計8スレッドの処理が可能。これが16GB×30台=480GBの共有メモリーサーバーに接続されている。500GB近いメモリーと、1600以上のCPUコアを持った1台のマシンと言ってもいいだろう。それぞれのマシンは、管理マシンにつながっており、負荷に応じて、検索処理または情報収集処理に割り当てられる。

 なお、これとは別に100台のマシンで構成された検証用システムもある。

 Justy Finderのシステムは、こうして日本中(あるいは世界中)から集まってくる価格比較の検索フォームに対して適切な結果を返す。

 一見すると単純でシンプルに感じるインターフェースの背景にある深いコンセプトと大規模なバックボーンシステム。取材を通じて、Justy Finderの素顔に触れられた。

ワーカーマシン/共有メモリーサーバーのスペック(1台あたり)
CPU Intel Core i7(2.8GHz):4コア×2スレッド
メモリー 16GB
HDD 500GB
OS Windows 7 (64bit版)
メーカー デル
検証用マシンのスペック
CPU Celeron(2.5GHz)/1コア
メモリー 2GB
HDD 150GB
OS Windows 7 (32bit版)
メーカー デル

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