このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

音楽プレーヤーとしての魅力を再確認

新iPod nanoレビュー これは退化じゃない、進化だ!

2010年09月21日 12時00分更新

文● 広田稔

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

付属のヘッドホンにリモコンが付いてない!

 というわけで駆け足で注目ポイントを見てきたが、一方で不満がまったくない訳ではない。いちばんもったいないなと感じたのは、付属のヘッドホンにリモコンが付いていない点だ。

 音楽を聴いている際、1曲だけスキップしたい、曲を戻したいと感じることはしばしばある。そんなときに標準のままのiPod nanoでは、電源ボタンを押して画面を点けて、画面をタップして曲の操作パネルを出して早送り/巻き戻しする必要がある。1曲だけさくっと送りたいだけなのに、これはちょっと面倒くさい。

 できれば、リモコンが付いたヘッドホン「Apple Earphones with Remote and Mic」を最初から付属しておいてほしかったところだ。通勤などで音楽を快適に楽しみたい人は、別途、iPodシリーズに対応したリモコン付きヘッドホンを買っておくといい。ジョギングに使う場合は、耳から外れにくい耳掛けタイプなどのヘッドホンのほうが向いている(Apple Storeのヘッドホンページ)。

iPod nanoのセット一式。付属のヘッドホンはリモコンのないタイプだ

Apple Earphones with Remote and Mic。リモコンの中央を押すと再生/一時停止、3回素早く押すとスキップ、3回で巻き戻しという仕様。裏側にはマイク穴がある。価格は2800円

細かいことを言えば画面の明るさを変更する設定は用意されているが、画面の消灯時間を設定できないのも場合によっては不便だ

「場合」というか、「時計」機能で腕時計に使うときに消灯時間が設定できないので、いちいち電源ボタンを押さなければいけないのが面倒。あとはアルバムジャケットを常に表示して自分の聴いている曲を常にアピールしたい人は不便かも?

さらに重箱の隅をつつけば、メニュー名が途中で切れていて読み取れないものも……

 第6世代のiPod nanoは機能は大幅に絞られたが、本体を小型してクリップを付けたことでより音楽を携帯しやすくなった。さらにタッチパネルを搭載し、指での操作を工夫することで、小さな画面でも(とっさの曲送り/戻しを除いて)扱いにくさを感じさせない。

 第1世代のiPod nanoは、今ではclassicと名付けられた旧iPodの小型版としてスタートした。今までその大小という位置付けはずっと続いてきたが、第6世代目にしてリニューアルされずに存在が薄まっていく関係を解消し、iPod shuffleの不満をつぶした上位版として再スタートしたように感じた。

 軽くて携帯しやすい音楽プレーヤーを探しているなら、ぜひ店頭でiPod nanoの使い勝手を確かめてみてほしい。


前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

ASCII.jp RSS2.0 配信中