ここをホメたい! 5つの注目ポイント
iPod nanoで見るべきところはいくつかあるが、筆者が独断と偏見で以下の5つを注目ポイントとして選んでみた。
1.見やすく使いやすい液晶
まずは何はともあれ、マルチタッチ対応の液晶だろう。これが意外と操作しやすいのだ。
iPhoneやiPod touchの液晶ディスプレーは大きいため、片手の操作では少し不安定だ。落としそうになることもあるため、無意識のうちに左手で本体を支えて、右手で画面に触るといった使い方をしている人も多いのではないだろうか。
一方、新iPod nanoなら手のひらにすっぽりと収められるサイズで、しかも液晶の形が縦長から正方形に変わったため、片手の操作でも楽々。本体を人差し指から小指でホールドし、親指をちょこまかと動かしてメニューを進めていける。
iPhone/iPod touchや前モデルとは異なり、ディスプレーが正方形になったため、一度に表示できるリストの項目数は減ったが、不便さはそこまで感じない。もちろん膨大なアルバムを転送するとリストが縦に長くなるので、下の方に配置される曲にアクセスするためにスクロールする回数が増える。しかし、指に吸い付くようにすいすい画面が動くのであまり不快感は感じない。
画面が正方形になったので、音楽再生時に現れるアルバムジャケットも画面ピッタリに表示されるようになった。液晶の解像度も220ppiと、前モデルの204ppiより若干細かくなり、ジャケットや写真も(心なしか)きれいに表示される。ちなみにiPhoneや新iPod touchのRatinaディスプレイは326ppiだ。
ホーム画面は、iPhone/iPod touchとは異なる構成だ。例えば、プレイリスト/アーティスト/曲/アルバム/Podcast/オーディオブック/iTunes Uといった、iPhone/iPod touchでは「iPod」にまとめられている項目がアイコンとして4枚のホーム画面に並べられている。
メニューも、項目をタップすると階層を進む、画面を左にフリックすると戻るという操作だ。「戻る」ボタンなしに、小さい画面でうまくメニューを構成している。ちなみにホーム画面のアイコンは、長押しすれば表示順が変えられる。よく使う機能を1画面目に集めておくといいだろう。
2.クリップ付きで服やカバンに取り付けやすい
液晶ディスプレーに加えて本体で変わったのは、本体背面にクリップが付いたこと。今までiPodシリーズでクリップと言えば、iPod shuffleのみだったが、今回からiPod nanoにも用意されるようになった。
目新しい要素ではないが、音楽をちょっと聴きながら外に出かけたいときに服やカバンにサッと取り付けられるのはやはり便利だ。クリップの方向は固定だが、画面を回転できるため、取り付ける方向も割と自由に選べる。
特に快適なのは、後述する「フィットネス」機能を使って、ジョギングなどの運動をするときだ。旧モデルでも同等の機能は備えていたが、本体が縦長なのでポケットなどに入れて走ると意外に邪魔になっていた。また、腕に付ける場合は、アームバンドを別途買う必要があった。
それが新モデルでは、クリップを襟元や服の裾に挟むだけでOK。本体も半分ほどに小型化されて、重量も36.4gから21.1gに軽くなったため、走っていてもより音楽プレーヤーの存在をより意識させない。。
「クリップで身に付けて走りたいなら、9000円も安いiPod shuffleでもいいのでは?」と感じる人もいるかもしれない。しかし、本気で走るなら、次で紹介する「フィットネス」機能は、ぜひ活用したいところだ。