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いま旬のビジネスPC 第19回

Intel AMTに対応したサーバー

レノボ「ThinkServer TS200v」を試す

2010年09月14日 09時00分更新

文● 花茂未来/インサイトイメージ

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筐体はツールレス構造

 最後に、TS200vの外観と搭載パーツを見ていきたい。TS200vの筐体前面は、同社製の高性能デスクトップPCのような蜂の巣状のメッシュ構造を採用している。この内部に8cm角の吸気ファンを装着することにより、吸気効率を高めている。

USB端子は斜め45度ほど上を向いているので、床に設置しても椅子に座った状態からでも手軽にアクセスできる

 メッシュ構造ということで気にかかるのは騒音だが、アイドル状態での動作音はほぼ無音であった。底面がゴム足である点も筐体の共振を防ぎ、静音性に貢献しているのだろう。電源ボタンを誤って押してしまわないよう、奥まったところに配置されているのもうれしい配慮である。

 コストパフォーマンスを重視した製品でありながら、内部構造がツールレス構造になっているのも好印象だ。まず、TS200vの内部にアクセスするには、背面にある2つの手回しネジを外す。そして、左側面の凹み内にあるボタンを押しながら、後部へスライドさせてパネルを外す。

本体内部の様子。工夫された内部構造になっているが、ケーブリングももう少し工夫して美しくまとめてほしかったところ

上段のHDDマウンタを取り外している様子

 筐体内部は余裕を持った作りになっていて、標準で搭載する2基のHDDを離して設置してある。下段のHDDを取り出すには、あらかじめSATAや電源ケーブルを抜いておけば、あとは水色の取っ手を引くだけでいい。

 上段のHDDはそのまま引き抜こうとしてもCPUクーラーと干渉するが、外した側面パネルの方向にマウンタを90度回転させてから引き抜くという仕組みになっている。この際も特に工具はいらない。空いている5インチベイや、2.5インチベイに機器を装着する際も押し込むだけいい。なお、評価機の構成では、マザーボード上の未使用端子はFDD端子、SATA端子、USB端子が各1ポートとなっているため、機器を増設する際はこれらの端子を利用することになる。

5インチベイと2.5インチベイが空いている

評価機に搭載されていたHDD

 HDDの接続規格はSATAで、RAID構成はインテルの3450チップセット内蔵コントローラーで実現されている。評価機に搭載されていたHDDの型番を確認すると、Western Digital製のエンタープライズサーバー向け製品「WD RE3(WD2502ABYS)」が搭載されていた。

 MTBFは120万時間。コンシューマー向けで主流になっている2TBのHDDは平均して75万時間前後であることと比べると信頼性は高い。また、同社のコンシューマー向けHDDの最上位シリーズ「Caviar Black」では処理チップを2基搭載し、処理能力を従来比で20%向上させているが、WD RE3も同様の仕組みを持つ。

 メモリーはSAMSUNG製の「M391B5673EH1-CH9」が搭載されていた。CAS Latency(CL)は9で、一般的なECC対応のPC3-10600準拠のメモリーとなっている。

ハロゲンフリーで製造されたSAMSUNG製のメモリー


徹底的にSOHO・SMB市場を狙ったサーバー

 冒頭の通り、TS200vはIntel AMTやKVMリモート・コントロールに対応するなど、搭載するハードウェアの工夫で導入コストだけでなく、導入後のコストにも着目している製品と言える。

 OSのWindows Server 2008 R2 Foundationは、確かに機能制限があるものの、企業規模を15人以下と明確にしたことで、導入の是非を判断しやすいのは好印象だ。基本的にはCALが不要なことと、ライセンス規約に抵触してしまった場合は警告画面で知らせてくれる機能があるので、誤ってライセンス違反を起こしてしまうことがない点も安心できる。少人数の企業でサーバーを導入するとしたら、一度検討してみたい製品だ。

今回の評価機「ThinkServer TS200v」の主なスペック
CPU Core i5-650(3.2GHz)
メモリー 2GB
グラフィックス CPU内蔵
ストレージ HDD 250GB×2基
インターフェース USB 2.0×8、アナログRGB出力、DisplayPort、1000BASE-Tなど
サイズ 幅175×奥行き415×高さ372mm
重量 11.2kg
直販価格 098118J

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