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週刊 PC&周辺機器レビュー 第71回

20万円を切った3D映像対応の一体型PC AE2420 3D

2010年09月09日 12時00分更新

文● 池田圭一

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3Dステレオ映像機能の実力は?

付属の3Dメガネ

駆動回路とバッテリー(付属のUSBケーブルで充電)を内蔵した液晶シャッター方式の3Dメガネ。光センサーでフレームレートを検出し、液晶シャッターの明暗をアクティブに調整する

 AE2420 3Dの特徴は、言うまでもなく3Dステレオ映像機能にある。搭載するAMDのMobility Radeon HD5730によって、左目用のイメージと右目用のイメージをフレームレート120Hzの倍速駆動液晶ディスプレーに、交互に表示する。それを画面表示とシンクロする専用の3Dメガネをかけて見ることで、左目・右目に別のイメージを投影して立体的に見せる。いわゆる「フレームシーケンシャル方式」である。

 表示方式としてはNVIDIA GeForceの「3D Vision」とほぼ同じ方式で、AE2420 3Dにも左右の液晶シャッターを高速で明暗切り替えする、アクティブ液晶シャッター方式の3Dメガネが付属する。ツルの部分に内蔵された充電式バッテリーで駆動する。フレームの前部左右には光学センサーがあり、液晶ディスプレー画面のフレーム切り替えに一致して動作することと、高速なフレームレートによって、まったくチラツキのない3Dステレオ映像を楽しめる。

Roxio CinePlayer BD

3Dビデオを再生する「Roxio CinePlayer BD」。Blu-ray 3Dに対応する

 なお、今回触れた試用機はプロトタイプの機材で、一部動作が製品とは異なる場合があることをお断りしておく。あくまで試用時の状況と考えてほしい。

 評価時点で試せたのは、Blu-ray 3D対応ロゴのある付属のプレイヤーソフト「Roxio CinePlayer BD」による3Dステレオ映像と、同ソフトの「CineView 3D変換」機能である。前者は、サイドバイサイド(横方向を圧縮した映像を左右に並べたもの)、トップボトム、行方向インターリーブ映像データを読み込んで、120Hzのフレームシーケンシャル表示を行なうものだ。

Roxio CinePlayer BDで再生可能な3D方式。既存の2D動画も「3D変換」で3Dステレオ化できる

 ロゴマークがあるように、Blu-ray 3Dの3Dステレオ映像再生が可能。テスト用のBlu-ray 3Dディスクをセットしたところ、問題なく3Dステレオ映像を表示できて、迫力ある映像を楽しめた。なお、2Dまたは3Dアナグリフ(赤青方式の3D映像)を、そのまま表示することもできる。元の映像がどの方式なのかは、ある程度は自動的に判断されるようだ。

フレームシーケンシャル方式で表示された3Dステレオ映像

フレームシーケンシャル方式で表示された3Dステレオ映像(付属のデモ動画より)。フレームレートが120Hzと高速なため、裸眼では左目/右目用の映像が重なり、ブレたように見える

液晶シャッター3Dメガネをかけると

液晶シャッター3Dメガネをかけると、左右の目に別の映像が見えてブレが解消される

どのような3Dステレオ映像が見えるのか、画面上で再現してみた。横に並べた2つの写真を、少し寄り目にして左右の写真が重なるように見てみよう(交差法)

 後者のCineView 3D変換は、既存の2Dビデオ映像をMobility Radeon HD5730(ビデオメモリー1GB)によって、3Dステレオ映像にリアルタイム変換して表示するものだ。処理パワーの関係からか、3D化できる2Dソースには制限があるようだ。GPUの設定ツール「Catalyst Control Center」の、Hydra Vision設定「3D」項目を見ると、3Dステレオ映像時の画質とパフォーマンスのバランスを調整できるようだ。しかし、残念ながら画面の縦横比が16:9で854×480ドット以上の映像は、3Dで表示されなかった。

3D変換を使うには

3D変換を使うには、「設定」→「3D」でCineView 3Dを有効にしておく(赤枠内、デフォルト設定ではオフ)

 そこで、VGA(640×480ドット)未満のMPEG-1データを読み込ませたところ、信じられないほどリアルな立体感のある映像となった。3Dステレオ化のアルゴリズムが、かなり優れているのだろう。動画の動き検出などと連動し、画面全体が動くような映像では特に大きく動く部分を前方に見せ、背景だけが動く映像では画面中央の人物などが飛び出して見えるように処理しているものと思われる。

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