マランツ コンシューマー マーケティングは7日、同社初のネットワークオーディオプレーヤー「NA7004」を国内発表した。
音質と利便性の両方を狙う
NA7004は、DLNA1.5に準拠。パソコンやNAS(DLNAサーバー)に保存した音楽ファイルをネットワーク越しに取得して、再生できるプレーヤー。対応するファイル形式は、FLAC/MP3/WAVE/AAC/WMAで、FLACは最大24bit/96kHz。それ以外は最大16bit/48kHzまで対応する。
選曲操作は本体やリモコンのほか、DMCと呼ばれるコントロールソフトをインストールしたパソコンやiPhone/iPod touchからも実行できる。iPhone/iPod touch用のDMCとしてはPlugPlayerなどが有名だが、パソコンのウェブブラウザーや、Windows Media Player 12からのリモート操作にも対応する(Compatible with Windows 7ロゴを取得)。
豊富なデジタル入力端子を装備することも特徴で、パソコンやiPodとデジタル接続するためのUSB端子や、同軸/光デジタル入力端子を持つ。また、Bluetoothレシーバー「RX101」も本体に付属しており、iPod touchや携帯電話機などA2DPプロファイルに対応した機器を無線でつなげる。
内蔵するD/Aコンバーターはシーラスロジックの「CS4398」で、最大192kHz/24bitのリニアPCM入力に対応。入力した楽曲データ(Bluetoothを除く)を、リニアPCMに変換して、同軸/光デジタル端子から出力する機能も持つ(アップサンプリングには未対応)。
フロント部分には漢字表示に対応した有機ELディスプレーやヘッドホン端子を装備。インターネットラジオ(vTuner)の再生も可能。高域補完技術のM-DAX2(Marantz Dynamic Audio eXpander 2)も装備する。
本体サイズは幅440×奥行き343×高さ106mmで、重量は6.5kg。筺体色は「シルバーゴールド」のほか「ブラック」が選べる。価格は9万7650円と内容を考えるとリーズナブル。発売は10月下旬を予定している。
AVアンプ上位機種にもDLNA対応機能を
またネットワーク機能に対応したAVアンプとして一体型の「SR7005」と、セパレート型AVプリアンプの「AV7005」も投入する。AV7005と組み合わせるパワーアンプとして、5chの「MM7055」と2chの「MM7025」も発表された。
DLNA関連機能に関しては、NA7004とほぼ同等の仕様。AVアンプということもあり、JPEG画像の表示やFlickrの閲覧など映像関連の機能も利用できる。Bluetooth、USB DAC、iPodデジタル出力といった機能も備える。
DMCに関しても有償・無償のソフトが選べるが、iPod touchなどで操作するためにマランツが専用に作った「Wizz App」もAppStoreに無償公開されている。選曲操作だけでなく、ボリュームやソース切り替え、サラウンドモードの変更など、リモコンとしての機能も備えている。
SR7005は7chの一体型。AV7005は7.2chバランスプリアウト/11.2chアンバランスプリアウトを備えたセパレートアンプとなる。
ともにHDMI1.4a(入力6系統、出力2系統)、3Dパススルー、リンク機能(HDMI CEC)、ARCなどに対応する。「Dolby Pro Logic IIz」や「Audyssey DSX」といった拡張型のマルチスピーカーシステムを構築することも可能。従来の5.1chに上方向または左右方向のスピーカーを追加することで、より立体的な音場を実現できる。
各製品の価格と発売時期は下記の通り。
価格と発売時期 | ||
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製品名 | 価格 | 発売時期 |
SR7005 | 19万9500円 | 9月21日 |
AV7005 | 19万9500円 | 10月下旬 |
MM7055 | 13万6500円 | 10月下旬 |
MM7025 | 8万4000円 | 10月下旬 |
手軽なネットワーク対応CDレシーバーも登場
合わせて同社はDLNA対応のCDレシーバー「M-CR603」と同製品にマッチングを図った2ウェイバスレフスピーカー「LS603」も発表した。
Bluetoothレシーバーが別売となり、USB DACとしての機能を持たず、デジタル入力端子が光のみになるなど、仕様に制限はあるが、iPodデジタル入力に対応し、DLNA関連の機能は「NA7004」とほぼ同等。音楽CDやCD-Rに記録されたMP3/WMAファイルの再生にも対応する。
M-CR603の本体サイズは幅280×奥行き302×高さ111mmで、重量は4.3kg。FM/AMラジオやインターネットラジオ機能も装備する。アンプ部分は60W(6Ω)×4chで、LS603をバイアンプ駆動できる。価格は6万9300円で、発売は10月中旬。
LS603は直径2.5cmのソフトドームツィーターと12cmのコーン型ウーファーを採用。本体サイズは幅191×奥行き249×高さ141mm。重量は3.4kg(1本)。カラーはグロスブラック。価格はペア2万4150円で、10月中旬の発売。