法人向けサービスでは
端末と社内システム間が暗号化されるBlackBerry
リサーチ・イン・モーション・ジャパン(RIM)は、中東におけるBlackBerryの禁止への動きなどの報道に関連して、一般には広く理解されているとは言いがたい同社のシステムについてメディア向けの説明会を開催した。
RIMが提供するBlackBerryのシステムでは、個人ユーザー向けの「BlackBerry Internet Service」(BIS)、法人ユーザー向けの「BlackBerry Enterprise Solution」(BES)の2つのどちらかを利用することが前提となる。
まず個人向けのBlackBerry Internet Serviceでは、携帯事業者/無線LANのいずれの回線を使用した場合でも、パケットは「BlackBerry Infrastructure」と呼ばれる、RIMが設置したシステムを必ず経由する。このBlackBerry Infrastructureを利用するメリットは主に2点。メールのプッシュ配信とパケットの圧縮である。
たとえばユーザーがメールを利用する場合は、ISPやウェブメールのアカウント情報をBlackBerry Infrastructureに登録する。そしてBlackBerry Infrastructureのシステムが定期的にISPやウェブメールのメールサーバーにアクセス。新着メールがあった場合はユーザーの端末にメールを自動的に配信する。これにより、ほぼリアルタイムでメールをチェックできるわけだ。
またメールを含む、すべてのインターネット接続において、BlackBerry Infrastructureにおいてパケットが圧縮された上でユーザーに届けられるので、パケット料金/通信時間の面で有利となる。
一方、法人ユーザー向けのBESでは、BlackBerry Infrastructureはパケットのルーティングのみを行ない、上記のようなメールの中継やパケットの圧縮は、企業内のネットワークに用意された「BlackBerry Enterprise Server」と呼ばれるサーバーによって行なわれる。
このBlackBerry Enterprise Serverと端末間のパケットはすべて暗号化されるほか、端末からのインターネット接続は常にBlackBerry Enterprise Serverを経由するよう設定できるので、まるで端末が社内ネットワークに接続しているかのような形で管理できることになる。
