実況系ガジェットは「規格」への疑問符か
テレビ番組に重ねられる「字幕」はニコニコ実況のものだけではない。
ツイッターや2ちゃんねるといった「実況ツール」、またユーザーが運営するサーバーのデータを読みこむことも可能だ。工夫すればメールやRSSを表示したり、天気予報や株価情報を流したり……と、まさにサイネージのように使うこともできる。
2ちゃんねるの実況は「アスキーアートがくずれないように工夫した」と、特にこだわりを見せる。ネットカルチャーをテレビ文化にかぶせた、「ソーシャルテレビ」への期待に応えられるような出来栄えにしたいと戸田氏は話す。
テレビメーカー業界にはいま、Android OSを搭載するGoogle TVという「黒船」が訪れようとしている。そのとき、ニコニコ実況(字幕)のような日本オリジナルの技術革新は、日本のテレビメーカーにとって重要な武器になるかもしれない。
字幕だけを表示する機械「ANOBAR」(関連記事)、字幕が流せるテレビ型のパソコン「ROBRO」(関連記事)など、様々な形でテレビ番組を実況する製品は試作されつづけている。今回、それが初めて市場に出たのが「デジタルテロッパ」なのではないだろうか。
折しも取材時、テレビは民主党総裁選の会見を放送していた。テレビで嵐のようなコメントが吹き荒れる中、「テレビに興味を持つきっかけにほしいですよね」と、リモコンを片手に戸田氏は語った。