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アニメファンならぜひ行きたい!聖地巡礼ツアー 第6回

聖地巡礼の元祖とも言うべき木崎湖レポ

これぞオタクツーリズム! 聖地巡礼木崎湖の旅

2010年08月30日 20時00分更新

文● 中村信博

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いよいよコミケ組が合流!

 午後5時を過ぎる頃になると、徐々に木崎湖の周辺にも人が多くなってきた。早くもコミケ組がやってきたのか、木崎湖沿いの道路に用意された臨時駐車場には、一般車に混じって続々と痛車が入ってくる。他にもチェーン脱着場にいた痛車や、木崎湖キャンプ場で夏休みを満喫していた人たちも、いち早くこちらに移動してベストポジションを確保しているようだ。

臨時駐車場にずらりと並ぶ痛車。先ほどチェーン脱着場で見かけたクルマもいたが、コミケ帰りも徐々に増えてきたようだ。もうひとつ大きな駐車場があったが、見物にはこちらのほうが有利。一段下がった遊歩道からなら、どこからでも真正面で花火を見物することができる

 「ゆ~ぷる木崎湖」で汗を流したあと、筆者も急いで見物場所に移動する。打ち上げ台は湖上に浮かべられているので、木崎湖の周りならどこでも真正面で花火の打ち上げを見ることができるはずだ。ふと小熊山を見上げると、山頂にちらちらと明かりが瞬いていて、そこから見下ろす形で花火を楽しむ人もいる様子。「星湖亭」さんのお話によると、あそこからなら同日開催の諏訪湖花火大会も遠くに見ることができるそうだ。

湖の南側にある温泉施設「ゆ~ぷる木崎湖」は、木崎湖探訪のさいの定番休憩スポット。「おねがい」シリーズのなかでもたびたび登場する巡礼地の一つでもある

道路には夜店が立ち並んで、訪れた見物客を迎えていた。都会の大きなお祭りと較べるとこじんまりとしているが、そのぶん「田舎のお盆」という温かな感じがする

すっかり見物客で埋まった公園。下が芝生なので、寝転がって花火を見物することができる

今回は「星湖亭」さんのご協力で、お店前の桟橋から撮影することができた。見物客は皆、思い思いのスタイルで花火見物を楽しんでいるようだ

 午後7時。神主さんと灯篭を乗せたボートが桟橋を離れた。雅楽の音が響くなか、火をともした灯篭がひとつひとつ水の上に浮かべられていく。やがて、ぼんやりと色とりどりの光を放つ2000個の灯篭が、真っ暗な湖面いっぱいに浮かび上がった。

真っ暗な湖面に幻想的に浮かび上がる、色とりどりの灯篭。今年初盆を迎えた人や、北アルプスで命を落とした人の冥福を祈るお盆の行事として、毎年花火大会に併せて開催されている

 そして午後8時、灯篭の光をバックに、暗闇に大輪の花火が打ちあがった! 今年の木崎湖花火大会ではテーマにそった25のプログラムが用意されていて、地元企業の提供による花火のほか、アニメファンを中心とする468人の募金で打ち上げられた特大スターマインも。木崎湖花火大会は、数万発が打ちあがるような都会の花火大会と較べると規模としては小さいが、そのぶんゆったりとお盆の雰囲気を楽しめるイベントなのだ。

この木崎湖花火大会の最大のウリが、どこから見物してもほぼ真上で花火が炸裂する大迫力。谷間にある小さな湖で開催される大会なので、必然的に見物場所が湖の周りに限られ、そのぶん想像以上に花火との距離が近いのだ

469人のアニメファンが力を合わせて打ち上げた花火は、木崎湖花火大会がはじまって以来最大の超特大スターマインだった! 何発もの水中花火が炸裂するなか、夜空に打ち上げられたスターマインはとてもカメラで全体を捉えきれないほどの大きさだ

花火大会のラストは、木崎湖の上をカーテンのように走るナイアガラ。湖上に渡したロープに点火されると、暗闇の湖をまるで昼間のように真っ白に浮かび上がらせた

 こうして過ぎていった、木崎湖のお盆。冒頭に「アキバ系人間のリゾート地」というテーマを掲げたが、そこには過ぎ行く夏をゆったりと過ごす多くのアニメファンの姿があった。コミケで大汗をかくのもよし、家でのんびり過ごすのもよし、お盆の過ごし方には人それぞれだけれど、こういった形で夏を満喫してみるのもひとつのスタイルなんじゃないだろうか。

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