大容量メモリーはやっぱり高速!
パソコンにたくさんメモリーを搭載した状態だと、いろいろな操作が快適になる。正確に言えば、時々動作が重くなるようなことがなくなるのだ。試しにメモリー搭載量を変えながらベンチマークを取ってみたところ、4GBと24GBでは9%もの性能差が出た。
ベンチマーク結果(Memories Suiteの値) | ||
---|---|---|
4GB | 8GB | 24GB |
6855 | 6945 | 7479 |
実際に多数のアプリケーションを開いても、サクサク操作できる。特にその効果は、大きな写真やファイルを編集したり、コピーする際に体感できる。HDDにアクセスしていないと、一瞬で処理が終わるのだ。その時の処理時間は体感的に言って10倍は速い。この快適さに慣れてしまうと、2~4GBのメモリー環境に戻るのは苦痛だ。
筆者が大容量メモリーのありがたみを一番実感するのは、仮想OSを起動した時だ。32bit版環境だと1GBメモリーを割り当てた仮想OSを2個開くだけでいっぱいいっぱいだ。しかし24GBもあれば、仮想Windows XPに2GB、仮想Vistaや仮想7に4GBを割り当てても、4~6つ同時に余裕で起動できる。やはり、仮想OSもメモリーを多く割り当てると動作が快適になるのだ。
大容量メモリーを活かすTipsに意味があるのか?
24GBも搭載すればあまりの快適さに余計なことはしなくてもよさそうだ。しかし、物理メモリーを有効に活用するためと言われるTipsが、24GBという大容量でも効果があるのかを実験してみた。
まずは仮想メモリーを無効にして、物理メモリーのみを利用するというTips。コントロールパネルの「システム」から、「システムの詳細設定」→「パフォーマンス」→「設定」→「詳細設定」→「変更」で、仮想メモリーを使わないように設定する。
結果は、「PCMark Vantage」の「Memories Suite」が「7479」から「7591」となったが、1%では誤差のようなもの。それほど効果はないようだ。そもそも、この状態であまりに大量のプログラムを走らせたり、大容量のデータを読み込んだ場合、メモリーが足りなくなり、仮想メモリーがないことでエラーが起きることがある。プログラムが不正終了して、データを失う可能性があるなど、リスクがある点は理解しておこう。
次に、カーネルを仮想メモリーに退避させないTipsを試してみる。カーネルとはOSのコアになるシステムで、Windowsの場合、物理メモリーと仮想メモリーに分散して動作している。ストレージ上にある仮想メモリーは低速なため、すべてを物理メモリー上で動作させれば快適になる、という技だ。
設定するにはレジストリエディターを使い、「HKEY_LOCAL_MACHINE¥SYSTEM¥CurrentControlSet¥Control¥Session
Manager¥MemoryManagement」を開き、右ペインの「DisablePagingExecutive」(DWORD値)を「1」に変更する。再起動すれば有効になる。なお、レジストリエディターでの設定変更はすべて自己責任で行なうこと。
さてこちらでもベンチマークを実行したところ、結果は7479から7363と、わずかだが落ちてしまった。体感でも変化は感じられず、こちらもあまり意味はなさそうだ。
結論としては、メモリーの管理はOSにまかせるというのがベスト、のようだ。
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