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ソニーのミラーレス一眼「NEX」を使いこなす! 第6回

「NEX-3」 と「PEN」を天秤にかけてみる

2010年08月19日 12時00分更新

文● 周防克弥

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NEX-3とPENの面白い機能をチョイス

 PENには劇的に色味を変える「アートフィルター」という機能がある。目的が違うので比較としては不適切だが、面白みがあるのは断然こちらだろう。

PENのアートフィルター

ノーマル

ノーマル

ポップアート

ポップアート

ファンタジックフォーカス

ファンタジックフォーカス

デイドリーム

デイドリーム

ライトトーン

ライトトーン

ラフモノクローム

ラフモノクローム

トイフォト

トイフォト

 他社でも同じような機能を持つカメラはあるが、多少の差ではなく、劇的に色合いや明るさまで含めて変化させてしまう機能はデジカメの面白さを表現する一番の近道ではないだろうか。

 一方で、NEX-3には「背景ぼかし」という機能がある。「おまかせオート」モードに備わる背景ぼかし機能は。ダイアルの操作で簡単に背景のぼかし具合を調節して撮影ができる機能だ。


背景ぼかし機能

絞りをF5.6に設定

絞りをF5.6に設定

絞りをF32に設定

絞りをF32に設定

 PENでは絞り込み機能を使用すれば絞り値に応じた被写界深度を確認できるが、NEX-3ではリアルタイムで絞りが動作し、液晶画面で常に絞りの効果、被写界深度を確認できる。

 内容的にはただの絞り優先オートなわけだが、絞りの数値で考えるのではなく、実際に画面で確認しながらボケ具合を調節できるのがいいところだ。


結局、どっちも捨てがたい……

 操作面やインターフェイスから考慮するとデジイチライクなのがPENでコンデジライクなのがNEX-3になる。アプローチの仕方が違うのだが、撮影結果は撮像素子の大きさからNEX-3がデジイチそのものになる。

 使い比べるとPENの操作性のほうが使い心地がよく、写真を撮る楽しさはPENのほうが上に感じられる。画質で見ればNEX-3のほうが明らかにいいのだが、上には上がいるということでPENの画質でも十分に満足は得られる。

 使ってて気になるのはNEXのシャッター音。構造的にシャッターボタンを押して写真を撮る時に、一度シャッターが全部閉まってから実際の露光用にシャッターが切れる。音を聞いてると2回シャッターが切れたような感じの音になる。

 構造的に考えればPENも同じ事をしているはずだが、PENではシャッター音は1回に聞こえる。また動作音そのものもNEXのほうが大きい。散歩カメラなら音はできるだけ目立たないほうがいいと思う。

 明らかにコンシューマ向けで女子向けっぽく作られたPENに比べて、同じようなユーザー層をターゲットにしていると思われるNEXだが、機能面から見ると「おまかせオート」にある背景ぼかしくらいしか目を引く機能がない。それ以外の機能は同社の一眼レフ「αシリーズ」に近い。

 背景ぼかしは確かに面白い機能ではあるが、実際には絞り優先オートでしかないので特に「これでなければ」というほどでもない。同社のコンデジ「WX5」に搭載されているような、ソフト処理でいろいろ加工してくれる機能があれば面白いところだが……。

 PENのアートフィルタ機能は誰でも特殊な写真が撮れるので、楽しむのには向いている。このような劇的に絵を変化させる機能がNEX-3にも欲しい。

 というわけで天秤にはかけてみたものの、NEXは軽さと大きさ、(大きな撮像素子による)高画質という魅力があり、PENはカメラ単体の質感の高さや持つ喜び的な面で魅力がある。結局はどちらもいい所があるので、しばらくは2台持ち歩くことが多くなるのだろう。


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