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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第53回

ケータイでありつつフルキーボード N-08Bの実力は?

2010年08月13日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

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iモードの価値で分かれる評価
バッテリー駆動時間は驚きの長さ

 この機種は、まさに「iモードの価値」をどう考えるかでまったく評価が異なるだろう。キーボードは悪くないし、日本語入力の効率もいい。だが、それだけで選べるほど優れているわけでもない。iモードに価値を感じないなら、ほかの機能は中途半端なもの、という印象を受ける。この機種が1年前に出たのであればまた話はちがっただろうが、正直なぜこの構成なのかなと、首をかしげるところもある。

 他方で、N-08Bを試用中に心から驚いた点もある。それはバッテリー駆動時間だ。カタログスペック上では、N-08Bの「待ち受け時間」は1000時間にも及ぶ。今回試用のために、1泊2日の出張に持ち出して、メールやウェブなどに利用してみたが、バッテリーは半分も減らなかった。ほかのスマートフォンでは1日の終わりには息も絶え絶えで、バッテリーの充電を気にすることが多かったのだが、N-08Bではその心配が不要だった。

 N-08Bが搭載しているバッテリーの容量は1600mAh。一般的な携帯電話のそれの2倍程度と大きい。iPhoneのバッテリーは、公にはされていないが1200mAh程度(iPhone4で1420mAh)と言われており、両者の中間くらいだろう。だが、バッテリー駆動時間の「安定度」でいえば、この数値から受ける以上の差を感じる。

バッテリーは底面に

バッテリーは底面に。SIMカードもここに差し込む。容量は1600mAh(3.7V)と、携帯電話に標準搭載されているものとしてはかなりの大きさだ

 これはやはり、N-08Bが日本の携帯電話らしい「高い省電力性能」をもっているからだろう。大容量バッテリーと省電力性能の組み合わせが、絶大な安心感を生んでいる。

 思い出してみれば、モバイルギアやsigmarionの良さは、「圧倒的なバッテリーの持ち」だった。N-08Bは機能面で不満はあるものの、その点を重視するなら買って損はない。


お勧めする人
・フルキーボードでの「メール処理」にこだわる人
・モバイル機器のバッテリー管理に悩まされたくない人
N-08B の主な仕様
CPU 非公開
ディスプレー 4.6型 854×480ドット
無線通信機能 IEEE 802.11b/g、Bluetooth 2.0
サイズ 幅180×奥行き80×高さ18.1~18.9mm
質量 約300g
バッテリー駆動時間 連続通話 約380分、連続待受 約1000時間

筆者紹介─西田 宗千佳

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、アエラ、週刊東洋経済、月刊宝島、PCfan、YOMIURI PC、AVWatch、マイコミジャーナルなどに寄稿するほか、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。近著に、「美学vs.実利『チーム久夛良木』対任天堂の総力戦15年史」(講談社)、「クラウド・コンピューティング仕事術」「iPhone仕事術!」(朝日新聞出版)、「iPad vs.キンドル」(エンターブレイン)。


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