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いま旬のビジネスPC 第16回

液晶一体型は企業導入にメリットを提供できるか

Lenovo対HP、注目の液晶一体型PCを比較する

2010年08月09日 09時00分更新

文● 花茂未来/インサイトイメージ

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限られたデスクスペースを有効活用

 一体型PCのメリットは、本体と液晶ディスプレーがひとつの筐体にまとまっているため、フットプリントが抑えられる点にある。そこで、本製品と同様にフルHD解像度に対応するM90zとともに、フットプリントを計測してみた。

Compaq 6000:幅545.5×奥行き220mm(筆者計測)

M90z:幅560×奥行き230mm(筆者計測)

 大きな違いとしては、Compaq 6000がスタンドを用意しているのに対し、M90zは本体兼ディスプレーを斜めにさせえるように脚が付いている点。Compaq 9000はスタンドを外すと、10cm角のVESAマウントが現れるので各種アームの使用も可能だ。

 M90zは液晶ディスプレーのサイズが23型ワイドと、Compaq 6000より大きい分、横幅が15.5mmほど広いが、奥行きはほとんど差がないと考えていいだろう。

 Compaq 6000は21.5型ワイド、M90zは23型ワイドの大型液晶ディスプレーを搭載しているため、視認性/作業スペースともに良かった。視野角に関しても、両機種ともおおよそ斜め45度から見た限りでは目立つ色の変化は見られず良好といえるだろう。

 最近のノートPCは、15型ワイド液晶ディスプレーでフルHDに対応している機種も存在するが、数値で埋め尽くされたエクセルデータやウェブサイト、ファイル名などを見るには少し手狭だ。幅広い年齢層が働く企業では、こうした画面の大きさにも着眼したいところである。


台座に載せるか、倒れかかるか

キーボード収納が可能なCompaq 6000

 設置性という観点では、Compaq 6000は液晶ディスプレーの下部にキーボードを収納できるスペースが用意されている点に注目。実際に仕事をしていると、大判の資料を参照したり、紙の資料に手で何か書き込むケースが意外に多いものだ(仕事以外では、自席で弁当を食べたりといったケースもあるかもしれない)。

 こういうときキーボードというのはとても邪魔なものである。PCの操作が不要なときは、キーボード分の奥行きが確保できるので、限られたデスクスペースを有効活用できそうだ。

Compaq 6000は手前に-5度~後方に30度のチルトが可能

 また、液晶ディスプレーのチルト角度が手前に5度倒れるという点も面白い。女性など小柄な人では、椅子を適切な高さにすると、ディスプレーを見上げるような姿勢になってしまいがちだが、その場合も便利である。また男性でも、椅子にもたれかかり、リラックスした状態で液晶ディスプレーを眺めると、自然に下から画面を見上げる体勢になる。

台座の下部が回転式になっている

 なお、Compaq 6000は、台座が回転式になっており、本体の水平方向を360度、自由に調節できる。会議室据え置きのプレゼン用PCとしての用途も考えられるのではないだろうか。

 一方評価機として用意したM90zでは、手前方向へのチルトはできない仕様になっている。タッチパネル対応という性質上、液晶ディスプレーをタッチした力で倒れるのを防ぐためだろう。

 M90zは、電源が内蔵されているため、ACアダプターの置き場所に困らない点が魅力だ。両機種ともフットプリントが優秀だが、Compaq 6000はACアダプターが大きく、幅70×奥行き165×高さ40mm(筆者計測)で、設置面積だけを考えれば、一般的な大きさのハードカバー書籍を2冊程度は縦置きできるスペースを占有してしまう。

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