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ポートフォリオと事業戦略を披露

HP SoftwareでCIOはサービス・ブローカーになれる

2010年08月09日 06時00分更新

文● 渡邉利和

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8月5日、日本ヒューレット・パッカード(HP)は“HP Software”の事業戦略に関する説明会を開催した。HP Softwareは2007年に統合されたHP OpenViewやマーキュリー製品を含むITの統合管理ソフトウェアブランドを指す。「BTO」をキーワードにビジネスとITの統合を目指す。

IT予算の配分比率を7:3から3:7に

 まず初めに、米ヒューレット・パッカードのアジアパシフィック&ジャパン HPソフトウェアソリューションズ バイスプレジデントのアンソニー・マクマホン氏が、HP Softwareの製品戦略について説明を行なった。

ヒューレット・パッカード カンパニー アジアパシフィック&ジャパン HPソフトウェアソリューションズ バイスプレジデント アンソニー・マクマホン氏

 同氏は、ユーザー企業のCIOが直面している課題として、まず「IT予算の配分比率」を挙げた。現状では、既存システムの運用/保守にIT予算の70%が費やされており、イノベーションに使える予算は30%しかないといわれているが、同氏はこの比率を逆転させ、運用/保守に30%、イノベーションに70%使えるようにする必要があるという。その理由として同氏は、現在CIOが考えるべきテーマとして「Data Center Transformation」「Application Modernization」「Governace 2.0」「Selective sourcing」といった諸問題を挙げ、さらに現在起こりつつある破壊的な革新として「Cloud Computing」「Virtualization」「Web and Content 2.0」といった技術要素を加味すると、現状のITインフラを単に維持しているだけでは駄目で、最新の技術トレンドを踏まえた新たなITインフラの構築に取り組まなくてはならず、そのためにIT予算を投じるべきだ、という。

予算配分やCIOのトレンド、起こりつつある破壊的な革新

 同氏の指摘でなるほどと思わされたのは、「CIOはサービス・ブローカーになる」というものだ。クラウド時代を迎え、CIOは自社のIT部門が提供するアプリケーションに加えてクラウド事業者が提供するサービスも含めて必要な機能を揃えることになる。これが同氏が指摘する「セレクティブ・ソース」であり、CIOは今後「外部のサービスも含めて最適なものを選び出し、社内のユーザーに責任を持って提供するサービス・ブローカーの役割も担う」と同氏は指摘する。

 同氏は、HPのソフトウェア戦略のキーワードとして“BTO(Business Technology Optimization)”を挙げた。大きな目標としては、ITをビジネスと整合させ、アプリケーションのポートフォリオやIT予算を最適化し、ITがビジネスに貢献していく、という考え方であり、HP Softwareはそのために必要な機能を提供していくわけだ。このため、HP Softwareは特にCIOが必要とするインフラ部分の機能に特化した機能を揃えており、戦略の立案、アプリケーションの開発/展開、アプリケーションの運用、といったサイクルを回しながら最適化を図る、といった取り組みになる。HP Softwareは、ネットワーク管理ツールとして長い歴史を誇るHP Openviewを中核に、その後の買収戦略で獲得されたさまざまなソフトウェアを組み合わせ、連携を実現することでこうした目的を実現していくことを目指している。

HP BTO Softwareのラインナップ

統合されていることの意味

 続いて登壇した日本HPの執行役員 HPソフトウェアソリューションズ統括本部長の中川 いち朗氏は、マクマホン氏の話を受ける形で日本国内での事業戦略等について説明を行なった。

日本ヒューレット・パッカード 執行役員 HPソフトウェアソリューションズ統括本部長 中川 いち朗氏

 同氏は、「日本市場は少し特殊」との認識を示しつつ、「どう成長させるかを考えている」とした。同氏は、「すでに日本でも高いシェアを確保しており、かつ今後も高い成長率が見込める分野」として「サービスマネジメント」「エンドユーザー管理」「自動化」の3分野を挙げ、まずここに力をいれて取り組むとした。次いで、HPのシェアは高いものの現状国内で高い成長率が見込めない分野として「アプリケーション・テスト/品質管理」を挙げた。同氏によれば、日本はこの分野ではまだ遅れており、手作業によるテストがまだ主流という状態だという。ただし、アプリケーションのテストや品質管理が重要であることに変わりはなく、古いアプリケーションを最新のテクノロジーをベースに書き直す「モダナイゼーション」が拡がる過程で、日本でも市場の成長率が高まることに期待を残した。また同氏は、従来の大企業中心の展開から、中堅企業へのアプローチの強化についても言及し、「中堅企業へはすべてパートナー経由で」という方針を示した。

 同氏は、HP Softwareのポートフォリオの中でも、「Project & Portfolio Management Center」などで提供されるCIO向けダッシュボードを見たCIOは誰もが「こういう機能があるならぜひほしい」と好意的に反応することを紹介した上で、ダッシュボードの機能が実現できるのはほかの製品群との連携があってこそだという点を指摘した。実際、戦略立案からアプリケーションの開発、運用まで、すべてを自社内のIT部門が手がけているというユーザー企業は多くはないのではとも思われる。もちろん、同氏は日本企業は世界的に見てもやはりサイロ化の傾向が強く縦割りになっている状況であることは認めつつも、「そうしたサイロに向けて個別最適の製品を提案していては何も変わらない。提案する側としてはすべてを連携させて全体最適を実現できるものを持って行かないと」と語った。

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