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ガラケーはやっぱりスゴイ! ケータイの機能をとことん調べてみた 第29回

Snapdragon搭載の「KCP3.0」端末は本当に高速&快適?

2010年08月09日 16時00分更新

文● 小林 誠、ASCII.jp編集部

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3つのテストで測定!
auの他機種と比べると明らかに速い

 今回は3つのテストを行なった。1つ目はPCサイト(ASCII.jpのトップページ)をブックマークに登録し、それをクリックしてから表示するまでの時間を計測。2つ目はケータイサイト(au=au oneトップ、ドコモ=iMENU、ソフトバンク=Yahoo!ケータイ)の表示時間。この場合、表示するページが違うものの、各社のケータイでよく表示するページを開いたと考えてほしい。最後の3つ目は起動時間。電源OFFから待受画面が完全に表示されるまでの時間を計測した。他の2つのテストは通信回線や場所、計測した時間帯の影響を受けるが、起動時間なら心配ない。

 その最速の測定結果が以下の表だ。

  PCサイト表示 携帯サイト表示 起動時間
au「S004」 26秒3 1秒1 32秒0
au「T004」 32秒6 1秒2 29秒1
au「SH008」 27秒6 1秒5 46秒4
au「T003」 27秒4 2秒2 42秒0
au「U1」 29秒7 2秒7 37秒4
ドコモ「F-06B」 24秒8 3秒8 34秒4
ソフトバンク「945SH」 45秒1 7秒3 30秒8

 auの他の機種と比べると、KCP3.0端末はやはり高速なようだ。起動時間が明らかに違う。KCP3.0ではないものの、夏モデルのSH008も含めて、ケータイサイトの表示がかなり速い。実際には1秒もかかっていない(ストップウォッチを止めるのに時間がかかっている)。気になるのは、なぜかT004のPCサイト表示速度がイマイチだった点。どうも計測時のタイミングも悪かったのか、2分以上完全に表示できないこともあった。

単純なタイムで出てくる以上にPCサイトビューアーの速さには驚かされる。スマートフォンの感覚に近い。またKCP3.0はKCP+の上位バージョンでもあり、基本的な操作性はそのまま受け継がれている

 平均的に速いのはドコモ「F-06B」。これは通信回線に影響された部分もある。945SHは当日の通信状態(アンテナのアイコンが2本のときもあった)にも影響されて、こちらも本領発揮とはいかなかったのが残念。

 続いて、テスト項目以外での実際にS004とT004を使って感じたことを紹介したい。

カメラの速度も速かった au「S004」

 操作がとにかく速い。PCサイトビューアーの上下スクロール、ページの切り替えは明らかにそう感じた。これはT004と共通の特徴だが、文字入力がサクサクで気持ちいい。レスポンスの悪いケータイにありがちな、ボタンを押してから1テンポ遅れで表示なんてことがまったくなかった。検索やアプリの乗換検索などで文字入力をするたびに“速い”と実感できる。

 T004と比べるとカメラによる撮影が速い。シャッターボタンを押してから、AFでピントが合い、撮影が終わるまでの時間がT004より1テンポ速いのだ。次々と撮影するのに向いている。

 またこの横画面のスタイルならワンセグも見たくなると思い、何度か起動してみたが、そこでの速度差は特に体感できなかった。

S004は横開きにも対応したスタイル。「BRAVIA Phone」というブランド名を持つだけあって、ワンセグを秒間60フレーム化して滑らかに映像を見せる技術も搭載する

スリープからの復帰が速い au「T004」

 ボタンが「カチッ」とした硬めの感触で、個人的にはこのほうがサクサクと文字入力できる印象だ。S004と同様に、従来のau端末と比較して操作が速い、と感じることは多々ある。たとえば、

・EZアプリボタンを押してからアプリの選択画面に移るのが速い
・地図のカーソル操作のスピードが激的に速い(キーを押すと一瞬ある「タメ」が無い)
・地図の表示も速い(カーソルの操作に追いついている)

といった操作で特にその性能を実感できた。

 S004よりT004の方が速いと思う部分もある。まずはテストもした起動時間。最速結果では3秒差で速かったが、同時に起動してみても毎回T004が少し速く待受画面を表示していた。EZwebを使っているときも、検索から目的のウェブサイトを表示して、PCサイトビューアーに切り替えるといったページを次々切り替える操作が実にスムーズ。ただしページ内の操作(カーソルの操作、ズームやメニューの表示)はもちろん快適なのだが、S004と同じ印象だ。

 テスト上はPCサイトビューアーの表示が遅い計測結果になっているが、毎回8割くらいの情報は一気に表示している。実際に使う場合は完全に表示されていなくても、見始めるだろうから、気にはならないはず。

一方のT004は2軸ヒンジスタイル。こちらも「REGZA Phone」の名前のとおりに映像にこだわりを持つ


焦っているときに使うと“速さ”の価値がわかる

 キーレスポンスをはじめケータイの遅さは焦っているときほど気になってしまうもの。たとえば時間ギリギリで乗換検索をするときや、道に迷ってしまったときの地図表示タイミングだ。検索結果を見るときに、ボタンを押してから画面の切り替えに“間”があると、それがほんの少しの時間であってもイライラしてしまうものだ。

 その点、S004とT004を使っているときは間違いなく従来機種よりもストレスが減る。その意味でKCP3.0は優れたプラットフォームと言えるので、今後は対応機種が増えてほしいもの。ちなみに初期にKCP+を採用した機種を購入した人はそろそろ機種変更を検討しているタイミングかもしれない。そのようなユーザーにはKCP3.0端末は有力な選択肢になりそうだ。

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