このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

山谷剛史の「中国IT小話」 第77回

中国の「淘日本」で日本の商品を取り寄せてみた

2010年08月09日 12時00分更新

文● 山谷剛史

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
「淘日本」

「淘日本」のトップページ

 「日中間のショッピングは魅力!? ヤフーと「淘宝」の連携」(関連記事)の通り、6月1日より日本の「ヤフーチャイナモール」で中国最大のオンラインショッピングサイト「淘宝網」(Taobao)の商品が買えるようになり、逆に中国の淘宝網の1コンテンツ「淘日本」でヤフーショッピングの商品が買えるようになった。

 2ヵ国でスタートして早2ヵ月。日本の停滞感に対し、中国の経済成長が感じられるニュースが日々報じられ、「13億人の中国市場(とはいえメディアは北京上海の市街地の合計2000万人の市場ばかりを報じているが)に直接モノが売れる」ことから「日本→中国」の流れのほうが注目されているように感じる。

 そこで今回は淘宝網でのやりとりに慣れている筆者が、淘日本を通じて中国から日本の食品を買ってみて、どれだけ使えるサービスかを中国人視点で検証してみる。

 せっかく買うならもちろん使えるモノにしたい。何も日本からイロモノを買う必要はない。デジモノは足りているというか、なければ中国の変わりモノを買えばいい。中国には仕事や留学などで滞在する日本人が数十万人単位でいるので、ならば日本の食品を取り寄せてみるのは実用的だろう。そこで食品を探してみた。


ラーメンはたった3件!?

ラーメンは少ない

ラーメンは少ない

 まず思いついたのがラーメンだ。内陸の日本料理屋のない土地でも食べたいときに日本のラーメンが食べられればどれだけ心が落ち着くことか。

 ところが中国語でラーメンこと「拉面」で検索すると出てきたのは3件。これがヤフーショッピングかと思うほど検索結果は少ないのだ。トップページからカテゴリ別に辿ってもやはり少ない。

 改めてヤフーショッピングの開店のよくある質問を見ると、「ネットラストのクレジット決済サービス」を利用し、開店中、商品の在庫設定を行なっているのが淘日本に掲載されるストア条件であり、また「日本からの輸出禁止商品」「中国への輸入禁止商品」「国際輸送に適さない商品」は商品として除外される。

 つまり、ヤフーショッピングのすべてのショップ、すべての商品が買えるわけではないのだ。たとえば牛肉は日本からの輸入を禁止している。肉片が入ったカップラーメンもNGということなのだろう。

 ラーメンは断念して、醤油を買うことにした。中国のスーパーの輸入品売り場で日本の醤油を買おうものなら、1リットルのもので1000円以上する。しかも有機醤油はレアで、もっと庶民的な醤油ばかりが売られている。

淘日本で醤油を探す。結構あってほっとする(画面は2ページ目)

淘日本で醤油を探す。結構あってほっとする(画面は2ページ目)

 それなら日本から取り寄せたって値段は変わらない。液体は飛行機の機内に持ち込むのが面倒なので、かさばって無駄に重い液体こそ淘日本で取り寄せるべきではないか。そんなわけで醤油で検索してみれば、醤油を含むギフトセットがズラリ。

 筆者はギフトセットの中でも、有機醤油2本とかつおつゆが入ったモノをチョイス。ヤフーショッピングの売価が約2400円だが、淘日本の価格もほぼ為替レートに準じた価格となっている。定価は2625円なので、少しでも割引されるのは気持ちがよい。大きく重いだけあって、送料は2000円する。つまり合計で4400円となる。

 これをどう捉えるかだが、筆者は中国のスーパーでの日本の醤油の高さを知っているので、高すぎるとは思わない。日本国内配送だって店舗が「5000円以上買えば無料」などと設定している通り、本来なら有料配送である。

 日本人としては知っているからこそ前向きに捉えられるというか、妥協できる。しかしギフトセットに入っている有機醤油と、中国のスーパーで売られている醤油の違いは、日本在住経験のない中国人には分からないだろうから、送料を単純に「高すぎる!」と思うのが普通の中国人の考え方であろう。

 欲を言えば、「少しでも安くいいものを、信頼できるところから買いたい」という中国の消費者のニーズを酌むべく、免税により消費税分を減額したり、ヤフーショッピングでの10倍ポイントキャンペーン時には、10%割引キャンペーンなどをやってはどうか。

 ヨドバシカメラやビッグカメラなどのリアル店舗では、クレジットカードの銀聯カード提示で13%割引などを行なっているのだから。

この商品を購入することに

この商品を購入することに

 醤油などのギフトセットをカートに入れたが、淘宝網の利用者から言わせれば、少々心配なのだとか。というのも日本式オンラインショッピングというか、売り手とのコミュニケーションがなく、カートに入れて「決定」ボタンを押すだけ、というシステムがなんとも不安なようだ。淘日本のやりとりを手伝う中国人の知人は「私なら日本にいる中国人の出品者とコンタクトをとって買う」と言う。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン