対象PCのグループ分けや更新プログラムの承認方法を知ろう
Windows Server Update Servicesの活用方法とは?
2010年09月07日 09時00分更新
複数のWSUSサーバを使った構成
WSUSが入手する更新プログラムを、マイクロソフトのWebサイトではなく別のWSUSサーバから取得できる(図2)。その目的は大きく以下の2つである。
(1)WSUSのクライアントとサーバの通信を高速に行なう
地方拠点ごとにWSUSサーバを配置することで、WSUSのクライアント/サーバ間の通信が高速になる。WSUSサーバ間の通信は夜間にまとめて行なえば、WAN回線への影響は少ない
(2)インターネット接続のトラフィックを節約する
米国ではインターネット接続は本社でのみ行ない、地方拠点は本社で中継してインターネット接続を行なうことが多いらしい。この場合、地方拠点のWSUSを個別に構成すると、インターネット接続のトラフィックが拠点数だけ増えてしまう(図3)。
一方、WSUSの更新元を変更すれば、インターネットへの接続は本社経由のみとなるため、インターネットへのトラフィックを集約できる(図4)。
ただし、現在の日本では家庭向けのインターネット接続回線が安価に提供されている。そのため、全社でインターネット接続を一元管理するより、拠点ごとにインターネット接続契約をするも方法ありだろう。
WSUSの更新元を変更するには、まずWSUSの管理ツールで「Update Services」-「サーバー名」-「オプション」から「更新先およびプロキシサーバー」を開く(画面10)。
このダイアログの「更新元」タブで、「別のWindows Server Update Servicesサーバーから同期します」を選択し、WSUSのサーバ名とポート番号を指定する(画面10-(1))。
また、必要に応じて、
- (1)更新情報の同期時にSSLを使用する
- 上位のWSUSサーバとの通信で、SSLを使用した暗号化を行なう
- (2)このサーバはアップストリームサーバのレプリカです
- この設定を有効にすることで、更新プログラムだけではなく、承認規則なども上位のサーバから複製する。その結果、WSUSサーバのオプション設定のほとんどは無視されるようになる
(1)更新情報の同期時にSSLを使用する
上位のWSUSサーバとの通信で、SSLを使用した暗号化を行なう
(2)このサーバはアップストリームサーバのレプリカです
この設定を有効にすることで、更新プログラムだけではなく、承認規則なども上位のサーバから複製する。その結果、WSUSサーバのオプション設定のほとんどは無視されるようになる
-->の2つを設定する(画面10-(2))。「アップストリームサーバーのレプリカ」を指定せずに、更新元サーバを変更した場合、承認規則などは独自に構成可能だ。更新プログラムのみを複製し、独自の管理をしたい場合に便利である。
WSUSの管理ツールで「Update Services」-「サーバー名」-「オプション」を選ぶと、いくつものオプションを構成できる。すでにいくつかを紹介しているが、改めて表2にまとめておく。
WSUSは単純な割に効果的なツールである。自動承認を使えば、管理者の負担もほとんどない。Active Directory環境があれば、グループポリシーを使うことでクライアントの構成も自動化される。しかも、全社のクライアントにどのような更新プログラムがインストールされているかという詳細な情報の表示も可能だ。更新プログラムの適用状況は、全コンピュータやコンピュータグループを指定した統計情報のほか、個別のコンピュータを指定して調べることもできる。ぜひ有効に活用してほしい。
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