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Mac mini de 家鯖 第1回

Mac mini通常版とServer版の違いとは何か?

2010年08月03日 18時00分更新

文● 海上忍

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Mac mini Serverの基本ツール

 Snow Leopard Serverは、サーバー用途に最適化されてはいるものの、標準版にサーバー機能を「+α」したOSであり、基本的には同等に利用できる。FinderやDockはもちろん、大半のMac OS X向けアプリケーションはそのまま動作する。

Snow Leopard Serverのデスクトップ。一見すると標準版と違いがわからないが、Dockには見慣れないアイコンが並んでいる

 しかし、一部のアプリケーションはインストールできない。標準装備されているiTunesを除き、iLifeはインストールの時点で拒否される。市販のアプリケーションも、Snow Leopard Serverは正式な動作保証を行なっていないものが大部分だ。

 システム環境設定の「共有」パネルで設定を行なう機能群も、だいぶ異なる。標準版では、ファイル共有(AFP、SMBなど)やプリンター共有の設定は「共有」パネルを利用するが、Snow Leopard Serverでは「サーバ管理」という管理ツールを使う。リモートログインなどいくつかの項目は「共有」パネルに残されているが、サーバーとしての機能は基本的にこちらへ移管されている。

各種サーバー機能の詳細な設定を行なう管理ツール「サーバ管理」

 もうひとつ、Snow Leopard Serverには「ワークグループマネージャ」という管理ツールが用意されている。こちらは、組織内に存在するユーザー/グループ/コンピュータを一定のポリシーの元運用するためのもので、ディレクトリーサービスに統合されている。

アカウント管理を行なう「ワークグループマネージャ」

 その2つのツールをまとめたような存在が「サーバ環境設定」だ。システム環境設定とよく似たインターフェースを備え、サーバー機能は必要最小限の項目で設定できるよう、情報量が大幅に簡素化されている。Snow Leopard Serverを初めて使う場合には、まずこのツールを理解しよう。

システム環境設定風のパネルでサーバーの主要機能を設定できる「サーバ環境設定」


Mac mini Serverのお約束

 それでは早速Snow Leopard Serverの設定をスタート……の前に、新Mac mini Serverならではの準備を済ませておこう。

 まずは、リモートディスクの設定。Mac mini ServerはSuperDriveが省略されているため、DVD/CDドライブを備えたもう1台のMac(WindowsマシンでもOK)で共有機能を有効にしておかなければならない。サーバーではそれほど利用頻度が高いとは思えないが、オプションの外付け光学ドライブ「MacBook Air SuperDrive」(Apple Storeで見る)を購入してもいいだろう。

 もう1つは、SDカードの挿入。スロットは背面にありアクセスしにくいため、設置場所次第ではスロットは“死蔵”を余儀なくされる(カードを抜き差しするたび本体を動かすことが苦痛でなければ話は別だが)。異論はあるかもしれないが、できるだけ容量の大きいSDXC準拠のカードを刺し、補助記憶装置として使うほうが吉だろう。

 デュアルディスプレーで使用するつもりならば、Mini DisplayPort用ケーブルの手配も必要だ。Mac mini Serverには、HDMI-DVIアダプターは同梱されているが、折角のMini DisplayPortを生かさない手はない。「Apple Mini DisplayPort - DVIアダプタ」(Apple Storeで見る)など、利用するディスプレーに応じたケーブルを用意しておこう。

DVD/CDドライブを搭載した他のMacの共有機能を有効化しておくこと

SDカードスロットは背面に用意されているため、設置場所によっては抜き差し不能となることも

デュアルディスプレー環境で利用したければ、HDMI-DVIアダプターのほかにMini DisplayPort用ケーブルも必要

 次回からは、Mac mini Serverをテスト機として、Snow Leopard Serverならではの活用方法を紹介していく予定だ。


筆者紹介──海上忍


 ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザーにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。



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