BDレコーダも相乗効果で好調
一方で、4月から発売している3D対応のBDレコーダーの販売も好調だという。
同社によると、3Dテレビ購入者の約8割が、BDレコーダーとのセット購入。販売台数は、3Dテレビの2倍規模に達している。将来の3Dコンテンツの普及を見越して、テレビはまだ3D対応していなくても、レコーダーでは、3D対応を事前に購入しておくという動きにつながっている。
こうした3D対応BDレコーダーの好調ぶりは、8月に発売を予定しているBDレコーダー内蔵3Dテレビの発売にもつながったといえよう。
3Dテレビは、先行したパナソニックに続き、6月にはソニーが市場投入。7月29日にはシャープが3Dテレビを発売し、さらに東芝が8月中に新製品を投入する。各社の製品が出揃うことで、3Dテレビへの注目度はさらに高まることになるだろう。
そのなかで、パナソニックでは「市場シェアの50%を獲得したい」と意気込む。
応答性の高さはプラズマの優位点だが
競合が激しくなるなかで、パナソニックが訴求するのはプラズマディスプレイパネル(PDP)の優位性と、3Dワールドの提案だ。「PDPは動画応答性に優れており、これが3D化に大きく寄与する。3Dに最適化したパネルがPDP」とする。
液晶テレビを3D化する場合には、4倍速にするなどの高速応答性に優れたパネルを搭載する必要があるため、コストが上昇する傾向にある。しかし、プラズマパネルは当初から動画応答性に優れていることから、コスト構造の大半を占めるパネル自体のコストアップがなく、コスト優位性が発揮できるというのがパナソニックの見解だ。
もちろん、パナソニック自身も3D対応の液晶テレビを視野に入れていないわけではない。
現在は、プラズマテレビだけだが、同社が持つIPSαパネルの高速応答性を活用した3D対応液晶テレビの投入計画が将来的にはあるようだ。
大画面化に効果を発揮するプラズマテレビはリビングの3D化を促進することになるが、3D対応液晶テレビの対象は、同社においてはパーソナルユースを意識したものなるだろう。
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