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Kindle/iPad対応!電子書籍の作り方 (1/7)

2010年08月09日 10時00分更新

文●古籏一浩

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iPadの上陸、Googleの参入などで盛り上がる電子書籍市場。「Webに近い」性質を持つ電子書籍は、Web制作の世界とも決して無縁ではありません。本連載では、「JavaScriptラボ」でおなじみの古籏一浩氏が、主な電子書籍フォーマットのデータの作成方法を解説します。(編集部)

(C) David Sifry/CC Attribution 2.0 Generic


 電子書籍にはPDF、EPUB、.book、AZW/MOBI、Topaz、XMDFなどさまざまなフォーマットがありますが、どのフォーマットがどんなコンテンツに適しているのか、どのような方法でデータを作成できるのか、電子書籍の課題や現実のワークフローは実際にデータの作成を体験することで見えてきます。そこで、本連載では現時点で広く使われている(もしくは仕様が公開されている)4つの電子書籍フォーマットについて、データの作り方を解説します。

■作成する電子書籍フォーマット

・PDF
http://www.adobe.com/devnet/pdf/pdf_reference.html
・EPUB
http://www.idpf.org/
・テキスト(青空文庫形式)
http://www.aozora.gr.jp/
・AZW/MOBI(アマゾンKindle用)
http://www.amazon.com/

※Kindle向けはほかにTopaz形式がありますが本連載では扱いません。
※デジタル著作権管理機能であるDRMに関しては扱いません。


 一口に電子書籍といっても、文字だけの小説なのか、画像だけの漫画なのか、作りたい本の形態によって方法は変わってきます。そこで、この連載では、以下の種類の電子書籍を順に制作します。

  1. 文字のみ(小説、文学作品など)
  2. 画像のみ(漫画、絵本)
  3. 文字+画像(挿し絵付きの小説や写真集など)
  4. 文字+画像+図版(SVG)(技術書、教科書など)
  5. 動画を含む複雑なレイアウトおよびインタラクティブ要素を含むもの(雑誌など)

 データフォーマットによっては作成できないタイプもあります。簡単にまとめると以下のようになります。

PDF EPUB テキスト AZW/MOBI
文字のみ
画像のみ ×
文字+画像 ×
文字+画像+図版 × ×
動画を含む複雑なレイアウト × ×
インタラクティブなもの × ×

 仕様が決まっているとはいえ電子書籍はリーダーによって機能に差があるため、制作者の意図したとおりに表示、動作する保証はありません。印刷された紙の本や雑誌であれば誰に対しても同じように見せられますが、電子書籍の場合はどのように表示するか(されるか)は、電子書籍リーダーの実装とユーザーの環境設定によって変わり、制作者側ではすべてをコントロールできないのです。

 電子書籍は、感覚としてはWebサイトに似ています。実際、EPUBはXHTMLなどWebをベースにした仕様になっていますし、iBooksではJavaScriptを使ってインタラクティブな電子書籍を作成できます。

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