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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第32回

会社はやめて、電子楽器と生きてます 宇田道信さんの人生

2010年07月31日 12時00分更新

文● 四本淑三

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世界で唯一のウダー職人にして数少ない奏者

―― ところでウダーを弾ける人は宇田さんだけ?

宇田 私の友人と、過去に少しだけウダーを売っていますから。

―― おそらく数人ということですよね。だったら量産にあたってウダーを弾くためのメソッドが必要ですよね。

宇田 そうですよね。私はすいぶん弾けるようになったのでいいんですけど。

本人も弾くために指のストレッチを欠かさないらしい

―― とりあえずギターのタブ譜みたいなものは必要かも知れませんね。

宇田 それでアナログ時計を横から見たようなものを考えて、それを学研の編集長に伝えたところ「分からない」と。

―― はははは。

宇田 見る側に脳みそを使わせてしまう表記になってしまうんですね。それで全部のポジションに番号を打ったりとか、試しにやってみているんですが。

―― たとえば僕は学研のテルミンminiを見て、ムーグのテルミンを買ってしまったんですが、ウダーもそういう需要はあるかも知れません。オリジナルウダーの量産計画はないんですか?

宇田 もちろん開発はしますし、自分のメイン楽器として使うので作るんですが、それを売ってくれと言われたときに、どうするか。以前、自分で作って売りはしたんですけど、作るのがとても大変で。だけど高い値段を付けてもいいかというと、自分の感覚ではそんなに高い値段は付けたくない。

取材には「あの箱」をくくりつけて自転車で来てくれた

―― でもウダーが欲しい人は、あなたの時間を買うしかないわけですよ。

宇田 会社を大きくするのとか、そんなことするのかなあ、自分が。まあ細々とやるのが正解のような気もしますね。お金で動くようになると、売れる売れないで、続ける続けないかが決まってしまうので。あんまりお金に興味ないんです。自分で生きていけるだけあればいいので。

―― それにしても淡々としてますよね。

宇田 まあ私はウダーを作っていることが普通だと思っているので。ウダーを思いついたときに10年やってみようと思ったんです。だから、これからまた10年っていう感じですね。

宇田さん。都庁と



著者紹介――四本淑三

 1963年生まれ。高校時代にロッキング・オンで音楽ライターとしてデビューするも、音楽業界に疑問を感じてすぐ引退。現在はインターネット時代ならではの音楽シーンのあり方に興味を持ち、ガジェット音楽やボーカロイドシーンをフォローするフリーライター。


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