ビルの上から落としちゃったけどデータ大丈夫かな?
実験のラストを飾るのは落下試験だ。本番の実験をする前に、実験装置のテストと、Gってどれほどのものなのかを確認しておこう。
装置の作りはいたって簡単。物干し竿にアルミ棒を取り付け、すべりのよいナイロン製のロープを2本通す。着地側にはコンクリートの板を置き、ロープが平行に張れるように金具を取り付けてある。一方ストレージには、オリジナルの治具にカラビナを通し、ロープを伝って落下、角がコンクリートに当たるようにしている。
一番手間がかかったのが射出装置だ。4枚のL字金具とロックピン、バネを使い、紐を引くとロックピンに引っかかっていたリングが外れ、ストレージが落下するようになっている。あとは重力が9.8kg/s2で地面に引っ張ってくれるだけ。
HDDの技術資料には、停止時の耐Gは150Gとあったが、感覚がサッパリ。なのでディスカバリーチャンネルで放送している「怪しい伝説」という人気番組でも使っている「ShockWatch」という衝撃検知シールを使ってみた。
これは1×3cm程度のシールになっていて、規定のGがかかると中央のインジケータが赤くなるというもの。今回は50G、75G、そして最大の100Gを使ってテストしてみた。3枚貼っておけば、どのぐらいのGがかかったが分かるはずだ。
まずは「PCのケースの上に置いてあったら落としちゃった」という30cmから落下試験だ。
いきなり微妙なインジケータだが、50G以上100G未満と言った感じか!?
っつーか、30cmから落として50Gもかかるもんなのか!
重力ってジェットコースターよりもパワフルじゃん! ってか、遠心力のGと衝撃のGはもう別物だ。
衝撃のGは予想外に高いと分かり、高さを20cmまで下げて実験すると……。
50G以上75G未満。うひゃー!たった10cmでこんなに違うの!?
最後に机の上や持ってたら落としちゃった!という場合の80cmで実験。
ええええっ!全部、赤! 100G以上かかってる! 外傷はほとんどないけど、コンクリートに落とすとかなりヤバイってのがHDDなのだ。
ちなみにこのハードディスクは、これまでに利用した日立のハードディスクではないが、
80cmから落下しただけで死亡! めっちゃ打たれ弱い……。
床がじゅうたんの場合は、ギリギリ救われるかもしれないが、コンクリートだったらほぼ即死と思ったほうがいいだろう。だからHDDは大切に持ち歩けって言われてるのか!
しかーし! こんなチマチマした実験をしてても面白くないっ!
もっと豪快に壊したいので、2階から落下させてみた。
えーーっ!予備実験の意味がネー!(笑)
(次ページへ続く)
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