Windows XP SP2もサポート終了
Windows 2000だけじゃない! サポート切れOSは脅威のもと
2010年07月30日 06時00分更新
42.2%――これが何の数字かお分かりになるだろうか? これは、トレンドマイクロが2010年3月に公共団体や民間企業のシステム管理者向けに行なった調査で、「企業内でサポート切れOSを利用している」と答えた企業の割合である(図1)。実に5社中2社以上の割合で、サポート切れOSを利用していることになる。
これには、企業特有の理由もある。つまり多くの端末を新しいOSに入れ替えることの手間やコスト問題、また企業固有のアプリケーション(給与システムや勤怠システムなど)が“開発された当時のOSでしか動作しない”などの制約があるのだ。こういった制約を乗り越えて、企業としてどのような対策を講じればいいかは、下記の関連記事を参考にしてほしい。
去る7月13日(米国時間)にWindows 2000をはじめとするマイクロソフトの旧OSのサポート期間が終了した(関連サイト)。7月13日直前には、新聞やWebニュースサイトなどで数多く報道されたため、記事を目にした読者も多いかもしれない。皆さんの個人利用のPCには、Windows 2000など旧OSがいまもインストールされているだろうか? 今回は、OSのサポート期間のセキュリティ上の意義と、放置によるリスクを個人ユーザーの観点から解説していこう。
Windows 7発売から半年過ぎても、
Windows XPのシェアはいまだに高い
まず、個人でのOSの利用状況はどうなのだろうか? 図2は「インターネット白書2010」の個人利用のPCで利用しているOSの割合である。
今回サポート切れOSとして注目されているWindows 2000は、全体の1.5%で第6位。少なくとも国内の個人ユーザーにおいては、Windows 2000ユーザーはそれほど多くはないようだ。あなたのPCがもしWindows 2000であれば、早急に新しいOSへの移行を検討した方がいい。
さて、図2を改めて見てみると、Windows 7が発売されて半年以上たったが、Windows XPがいまだに大きなシェアを持っていることが分かる。XP Home EditionとXP Professionalを合わせると、実に全体の約48%を占める圧倒的シェアだ。2001年11月に初期版が発売されてから10年近くになるWindows XPだが、いまも多くのユーザーのPCにインストールされているということである。
かく言う筆者もWindows XP搭載PCを使っている。本稿を呼んでいるユーザーの中にも、個人利用のPCではWindows XPを使われている方がまだまだ多いのではないだろうか? 実は今回、マイクロソフトのサポートが終了したのはWindows 2000だけではない。図3が、2010年にサポート提供終了となったWindows製品の一覧である。
Windows XPユーザーは早急にSP3にアップデートを!
Windows VistaユーザーもSPを適用すべき
ここで注目してほしいのが、表の中に「Windows XP」があることだ。「自分の使っているPCはWindows XPだから、Windows 2000のサポート終了は関係ない」と高をくくっているユーザーは要注意である。ただし、すべてのWindows XPがサポートを受けられなくなるわけではない。今回サポート提供が終了したのは、「Windows XP Service Pack 2」である。Service Pack(以下SP)とは、マイクロソフトから提供される、重要な更新プログラムや修正プログラムを1つにまとめたものである。OSが発売された後、マイクロソフトから定期的に公開されており、Windows XPではSP3、Windows VistaにはSP2までが公開されている(図4)。
自分が使っているWindows XPがSP3まで適用されているかどうか、不安になったユーザーは、すぐに確認してみよう。手順は「マイコンピュータ」を右クリックして「システム情報を表示する」ことで、簡単にできる。この記事を読んでいるPCがWindows XPなら、是非すぐに確認してみてほしい。画面に「Service Pack 3」の文字があれば適用は完了している(図5)。もしも、まだSP2だったらマイクロソフトのWebサイトでアップデートを行なうべきだ。また、Windows Vistaについても初期版(SP未適用の状態)は、すでに2010年4月13日にサポートが切れているので、Vistaユーザーも同様の手順で確認して、SP未適用ならアップデートしておこう。
(次ページ、「サポート期間が終わっても、攻撃は止まない 」に続く)

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