奥義その5 カレンダーで日時を指定するデフラグ
最後は「AutoPilot」。デフラグを実行するタイミングを指定するワザだ。パソコンを使っていない日時にスケジュールを組んでおけるので、気兼ねがいらない。
デフラグするドライブが選択できるのはもちろん、ごみ箱や一時ファイルを削除するタイミングを指定したり、MFT(Master File Table)やハイバネーションファイルといった深いところにあるファイルのデフラグもできる。
会社で使うパソコンにオススメしたいのは週1回のデフラグ。金曜日の夜など、帰宅する際にカレンダーを設定しておき、パソコンをオンにしたままオフィスを出ればいい。あとはあなたが休んでいる間、ソフトがすべて自動で細かいデフラグをこなしてくれる。
しかし、つけっぱなしにしていると、電気代が気になるという人もいるだろう。
それなら「コンピュータをスタンバイ状態から復帰させ、スケジュール設定されているデフラグパスを実行する」をオンにしておき、スタンバイにしておけばいい。デフラグが終わった後にシャットダウンするように設定しておけばオーケーだ。
週末には完全にシャットダウンしてしまうという場合には、普段スクリーンセーバーが動いているときにもデフラグすることもできる。昼食を食べに行き、戻ったらパソコンが早くなっているのは快適だ。だが、再起動が必要なデフラグは出来ないので、定期的に本格的なデフラグをしたい。
自分で設定をあれこれいじらないでも、定期的にデフラグをしてほしいというときには「Stealth Patrol」が使える。「3日以上デフラグをしていない」「パソコンがアイドル中」という条件で、自動的にデフラグをしてくれる。
デフラグ知識を身につけ、長持ち対策を
HDDの完璧なデフラグとSSDの対応、再配置による高速化、空き容量のないストレージのデフラグ、柔軟なスケジュール機能と、5つのメリットを紹介してきた。だが、まだまだ紹介しきれていないマニアックな機能は山ほどある。
たとえば、ドライブレター(Cドライブなどの名前)がないドライブもサポートするため、隠しパーティションなどもデフラグができる。電源探知機能がついているため、ノートパソコンがバッテリー駆動のときはデフラグしない設定も可能だ。
というわけで、何も知らなかったデフラグ初心者も、重箱の隅まで気になってしまうデフラグマニアのあなたも、最近どうもHDDの動きが重いと感じはじめたら、デフラグソフトの購入を検討してみてはいかがだろう。
筆者紹介──柳谷智宣
1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。現在使っているノートパソコンは、東芝のSS RXとMac。とはいえ、1年以上前の製品なので、買い換えを思案中。日経パソコンオンラインで「ビジネスパソコンテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)、「PDFビジネス徹底活用技」(技術評論社)。