このページの本文へ

柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第23回

CDを超える高音質音源をPCとスピーカーで堪能する技

2010年07月20日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

音楽配信サイトで音楽CDを越える
音質の楽曲を入手する

 音楽CDは量子化bit深度が16bit、サンプリング周波数が44.1kHzで記録されている。ビットレートにすれば1411.2kbpsになる。本誌読者には今さらな話だが、量子化bitは録音する際に何段階で表現しているかを示し、サンプリング周波数は標本化する細かさを表している。数値が大きいほど理論上高音質と考えていい。現在はコンシューマー向けの機材でも、24bit/96kHzという音質で録音できるようになっている。音楽CDの16bit/44.1kHzというのも、今となっては高音質というわけではない。

 数年前、音楽CDよりも高音質な「DVDオーディオ」や「スーパーオーディオCD」(SACD)といった製品が登場した。しかし、DVDオーディオは廃れてしまい、SACDもマニア向けとして細々と発売されているのみだ。そんな現状で、一般ユーザーが手軽に高音質音源を手に入れるなら、音楽配信サイトを利用するのが手軽だ。オンキヨーの「e-onkyo music」では、24bit/96kHzや24bit/192kHzという高音質な楽曲を配信している。

e-onkyo music

e-onkyo music

 例えば、「グレゴリオ聖歌:GREGORIAN CHANT:Crux Fidelis」は、再生時間が5分3秒で、24bit/96kHz版が300円、24bit/192kHz版が400円。24bit/96kHz版はWindows Media Audio 9.2 Losslessで圧縮されており、ビットレートは2300kbps、ファイルサイズは83MBとなる。24bit/192kHz版は圧縮していないWAV形式で、ビットレートは9.21Mbps、ファイルサイズは333MBと巨大だ。ちなみに、ビットレートが128kbpsならファイルサイズは4.7MB。

 音楽CDからビットレート128kpsで取り込んだデータと聞き比べると、24bit/96kHz版との違いは、一目ならぬ一聴瞭然。音の深みがわかり、明らかに高音質だ。しかし、さらにさらに高音質なはずの24bit/192kHzと比べた時はもちろん、音楽CDを直接再生したときと聞き比べても、ほとんど違いがわからない。


超高音質は対応サウンドボードとスピーカーが必要

SE-200PCI LTD

「SE-200PCI LTD」。石油コンビナートのようにコンデンサが並ぶ。店頭実売価格は2万4800円程度

 24bit/96kHz以上のサウンドを再生するには、サウンドボードとスピーカーもそれなりの製品を使う必要がある。定評があるのは、オンキヨーのPCIデジタルオーディオボード「SE-200PCI LTD」と、パワードスピーカーシステム「GX-500HD」の組み合わせだ。

 SE-200PCI LTDは、2チャンネルアナログ出力と光デジタルオーディオ出力、そして7.1チャンネルのアナログ出力を備えるサウンドカードだ。周波数特性は0.3Hz~88kHz、S/N比は2チャンネルアナログで115dBと、オーディオ専門機器並みに高い。デジタル出力は24bit/192kHzまで対応し、24bit/96kHzの光入力も可能だ。

SE-200PCI LTDのブラケット部分

SE-200PCI LTDのブラケット部分。左からアナログ、光デジタル入力、光デジタル出力、7.1チャンネル出力。7.1チャンネル出力は、付属のアダプタを利用する

 付属ソフトはWindows Vistaまでの対応なので、Windows 7用ドライバーはダウンロードする必要がある。設定ソフト「Envy24HF Audio Deck Control Panel」のインターフェースはいまいち使いにくいが、設定自体は問題なくできる。

 ちなみに、SE-200PCI LTDをPCIスロットに装着する際には、隣のスロットはなるべく開けたい。グラフィックやRAIDなど、ハイパワーで動作するカードがあると、音にノイズが乗ってしまうからだ。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン