平静を装うHDD!
でもバッド・セクターがあるじゃん!
上下には-5G~7G、左右には-6G~5G、前後には-7G~6Gかかっているのが読み取れる。なお、これまでの画面もそうだったが、上下の振動のみ上下センターが1Gになっている。これはセンサが地球の重力を受けているためだ。
このような振動を与えた状態で、HDDを読み書きすると……。
HDD振動テスト
HDD書き込み中に振動を与えるとどうなる?
振動が収まるまで読み書きを待機すんのかっ!
クソっ!せっかくディスククラッシュするのを楽しみにしてたのにっ! ムービーの挙動で分かるとおり、振動している間はファイルのコピーを行なわないらしい。
しかも! Windowsがタイムアウトしネー!
普通のデバイスなら、ある程度デバイスから応答がないとWindowsがエラーとみなしてタイムアウトするところだが、それすらもない。振動を止めてやると「ここだっ!」と言わんばかりにコピーを始めるのだ。
2010/07/14 15:41:26 Phase 13 書き込み開始 D:\HDD_TEST\FF_0000000013.BIN
2010/07/14 15:43:41 Phase 13 書き込み終了 134813ms (Transfer Rate 1Byte/Sec)
2010/07/14 15:43:41 Phase 13 削除開始 D:\HDD_TEST\FF_0000000013.BIN
2010/07/14 15:43:41 Phase 13 削除終了
テストプログラムのログを見ると、134813ms(135秒)振動を与え続けてもタイムアウトすることはない。振動を止めると、何事もなかったように処理を続ける。うーむ、俺より一枚上だったか……。
2010/07/14 15:43:41 Phase 14 書き込み開始 D:\HDD_TEST\00_0000000014.BIN
2010/07/14 15:43:41 Phase 14 書き込み終了 47ms (Transfer Rate 3,404Byte/Sec)
2010/07/14 15:43:41 Phase 14 削除開始 D:\HDD_TEST\00_0000000014.BIN
2010/07/14 15:43:41 Phase 14 削除終了
イベントビューアでシステムの障害を調べてみても、一切エラーは起きていないことになっている。
だがしかーし! 書き込んでいる瞬間に振動を与えたらどうなるだろうか? そこで読み書きのタイミングを狙って何度も振動を与えてみた。
こーなりゃどんな手を使ってもクラッシュさせたるわい!
テストプログラムではディスククラッシュを検知できなかったが、絶対クラッシュしてるに違いない! いやそうであってクレ! じゃないと記事にならネーじゃん!という思いを込めて、チェックディスクをかけてみた。
その結果! 不良セクタ発見!
さらに詳細をイベントビューアのアプリケーションログで見てみると、HDDのアドレスB8665000hから10kバイトに渡って読み取りエラーを起こしているのが分かる。
不良セクタが発見されると、以降その部分は「なかった」ものとしてWindowsに処理されるので、そこにデータがあった場合はファイルクラッシュとなる。まぁ、運がよければチェックディスクで回復できるが……。このように落下センサーが搭載されているHDDでは、チェックディスクで復旧できる程度のディスククラッシュしか起きなかったが、
すべてのHDDに落下センサーが搭載されているわけじゃない!
次の画面は、パラレルATAの古いHDDを使って実験した結果だが、イベントビューアにしっかりエラーログとして残っている。
もちろん現行モデルでも落下センサーが付いていないものもある。しかしショップのポップに記載されているのは、容量と回転数、キャッシュサイズぐらいだ。書いてあっても軸受けタイプぐらいで、落下センサーの有無まではうたわれていない。HDDのラベルにも一切記載なし。
というわけでHDDの場合は、これまでどおり振動や衝撃に怯えながら使うしかない。アタリかハズレかは、衝撃を与えてみるまで分かんネーということ。ひぃ~。稲川淳二の怪談より背筋が凍るぞ!
(次ページへ続く)
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