好きなことしかできない、それが小池スタイルという人生です
―― そんな小池さんはこれから、お金をつくるために何をつくっていきますか。
小池 ネットコミュニティの格差ってありますよね。中心になるやつのまわりにどうしようもない取り巻きがたくさんいたりとか。その力関係をみんなが思い知れるようなことができたら面白いなあと思ってます。おのれの弱さを思い知れ、みたいな。
―― すごいこと言いますね。以前、きっこさんがツイッターでフォロアー数のことについて発言したのが話題になりましたけど。
小池 あの話に沿って言えば、彼女の発言の影響力はガチャピンの10分の1なんですよ。そういう影響力の差があるけど、見えていないもの。それをあきらかにしていくことで、人間関係をつぎつぎと破壊していきたいなと思ってます。それで利益を生めればと。
―― お金になりますか、それは。
小池 人間、関係がくずれたら再構築すると思うんですよ。何かをこわして、それをつくりなおすときにお金がかかるじゃないですか。それをやってみたいなと思って。
―― そんな小池さんがプログラマーとしてはたらくって、どういうことなんですか。ツイッターで「会社が大きくなったら失業する」とか言ってましたけど。
小池 つぶれたら失業しますよね。だから、社員として会社を大きくすることを考える。すると、シュンペーター式の官僚組織になりますよね。管理部門が大きくなり、日報を書かなきゃいけなくなる。でも夜になると何やったかおぼえてないんで、書けないんです。だから社員数が100人とかになると、もうオレの居場所はなくなるんです。
―― じゃ、小池さんはこれからどんな人生をすごしていきますか。
小池 いま、破滅ラウンジ※の人たちとアートイベントやってたりしてます。なんで、仕事はやりつつ、残った時間で個人にできることをやるって感じですかね。そんなこと考えてるのも、自分が若くて、何も捨てるものがないからだと思うんですけど。
―― 達観してますねー。
小池 年食ったらまた考え方も変わると思いますよ。ま、後がどうなろうと知ったこっちゃないです。そんとき考えりゃいいじゃないですか。
※ 破滅ラウンジ : ストリートプログラマーを中心としたアートイベント。アーティスト・藤城嘘さんが主催するアートプロジェクト「カオス*ラウンジ」の一環。日本一のニートを目指しているという「pha」さんなども参加している。「ここ10年、日本のギャラリーで行われた展覧会の中で、最高のモノです」と、村上隆氏も太鼓判をおす