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週刊 PC&周辺機器レビュー 第63回

Core i5&Radeon HD 5430搭載で限界突破 Inspiron 13z

2010年07月16日 12時00分更新

文● 池田圭一

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低価格ハイパワーモバイルの新時代を築く1台

本体前面の斜めにカットされた部分にステレオスピーカーを内蔵

机上にうまく反射させるように、本体前面の斜めにカットされた部分にステレオスピーカーを内蔵。パームレスト部分も音響再現に寄与しているようだ

 13zシリーズの評ではあまり言及されないのだが、オーディオ特性についても少し触れておきたい。モバイルノートでは本体スペースの関係からか、音響再生能力を重要視しないのが常であった。ステレオスピーカーを搭載する製品でも、口径が小さく低音が出なかったのだ。しかしNew 13zでは、パームレスト部分を広くしたことで反響空間が確保できたのか、このクラスのノートとしては意外に感じるほど音がいいのである。

 ディスプレー左下に「SRS PREMIUM SOUND」の文字が鮮やかに記されていることからわかるように、ヘッドホンなどで聴く場合は、再生コンテンツに応じた臨場感あふれる音響を楽しめる。だが、本体スピーカーの鳴動もなかなかのものだった。

SRS PREMIUM SOUND対応製品に付けられるロゴ

SRS PREMIUM SOUND対応製品に付けられるロゴ。内蔵スピーカーでも立体効果が得られるという

残響音を調整できる

音楽、映画、ゲーム、スポーツなど、コンテンツに応じて適切な臨場感が得られるよう残響音を調整できる。実際に試したが、かなり効果的であった

 その反面、気になったのが空冷ファンの動作音である。CPUのCore i5化や独立GPUの標準搭載など、本体内部での発熱が大きくなったのだろう。そこにスリムデザインとなってはなかなか熱の逃げ場がない。本体右側に設けられた排気スリットが、旧13zより小ぶりとなったこともあってか、空冷ファンの風切り音が結構耳に付く。空冷ファンの回転は処理負荷によって制御されているものの、しばらく何もしていなくても鳴り止む(回転が止まる)ことはなかった。

メモリースロットの横に、低騒音タイプの空冷ファンを装備

2GBメモリー×2枚の標準4GB構成。メモリースロットの横に、低騒音タイプの空冷ファンを装備するが、エアーフローの関係か高周波の風切り音が耳に付く

 本稿執筆時点では、New 13zは直販サイトで3種類のパッケージが用意されている。CPUがi3-330UM(320GB HDD)の構成と、i5-430UM(500GB HDD)のOffice Personal 2010有り無しの計3種だ。いずれも基本構成では、メモリー4GBを標準搭載し、OSにはWindows 7 Home Premium 64bit版を搭載する。

 細部はBTO構成で変更できるが、コストパフォーマンス的にはi5-430UM搭載でOfficeなしのプレミアムパッケージ(8万9980円)を推したい。I3-330UM搭載のベーシックパッケージとの価格差は1万円。この投資でHDD容量が約1.5倍になり、CPUのクロック周波数を一時的に上昇させるターボブーストが使えるのは魅力的だ。

 旧モデルからの変容っぷりは、新たなシリーズ名を与えてもよさそうな気がするほど。高速処理・高速描画と新たなパワーを手に入れたInspiron 13zは、これからのモバイル・スリムノートの代表的な一台となるだろう。

Inspiron 13z(試用機) の主な仕様
CPU Core i5-430UM(1.20GHz)
メモリー 4GB
グラフィックス Mobility Radeon HD 5430
ディスプレー 13.3型ワイド 1366×768ドット
ストレージ HDD 500GB
光学ドライブ USB接続型DVDスーパーマルチドライブ付属
無線通信機能 IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 2.1
サイズ 幅328×奥行き235.5×高さ24mm
質量 約1.79kg(最小構成時)
バッテリー駆動時間 最大4時間49分
OS Windows 7 Home Premium 64bit
価格 8万9980円(最小構成価格 7万9980円)

筆者紹介─池田圭一

月刊アスキー、Super ASCIIの編集を経てフリーの編集・ライターに。パソコン・ネットワーク・デジタルカメラなど雑誌・Web媒体への企画提供・執筆を行なう一方、天文や生物など科学分野の取材記事も手がける。理科好き大人向け雑誌「RikaTan」編集委員。デジイチ散歩で空と月と猫を撮る日常。近著は「失敗の科学」(技術評論社)、「光る生き物」(技術評論社)、「これだけは知っておきたい生きるための科学常識」(東京書籍)、「科学実験キット&グッズ大研究」(東京書籍)、「やっぱり安心水道水」(水道産業新聞社)など。


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